令和6年度一般会計予算案について、我が会派からは乾議員が本会議で意見いたしましたので、以下掲載いたします。
予算に対する意見
令和6年度一般会計予算案について、本予算案は、過去最高額の予算規模であり、かつ市税収入も過去の決算最高額を上回る見込みとなっています。しかしながら、84億円の収支不足が見込まれ、財政調整基金の取崩し80億円と臨時財政対策債の借入4億円による財源補填がなされての予算となっており、貯金の取崩しと借金による赤字体質な予算であることは拭えない事実です。
コロナ禍も収束し、平常な状況に戻っている現在、予算規模が過剰に増大しているのではないかと危惧します。
人件費の増大や消費的経費の増大を見ると、持続可能な財政運営を図るために、行政の無駄をなくすという観点から、十分な予算の精査が必要だと感じるところです。
また、一方で、令和5年度の一般会計補正予算案に目を向けると、歳出では、財政調整基金など主要な基金への積立金や小中学校の屋内運動場空調整備等、大規模改修予算の増額を除けば、約40億円を上回る不用額が減額補正されています。
歳入では、財政調整基金の繰入戻しが約47億円となっており、収支が改善されたかのようにも見えますが、当初の見込みが甘いとの見方ができるのではないでしょうか。
適正な予算の計上を十分に図ることで、赤字体質予算から脱却できると考えます。
先の決算委員会の質疑において、「流用と減額補正額と不用額が多い。今後はしっかりと精査していただいて、予算と執行額に大きな乖離がないような予算組みをしていただくべきかと思います。これだけの財源があるならば当初にもっと事業ができた。例えば今は小学校給食の無償化の継続をされていますが、これだけ不用財源があるならば、次年度以降も継続的にそういう事業ができるのではないかという疑問を持ちます。
この点につきまして、副市長はいかがでしょうか。」と、尋ねたところ、春藤副市長の答弁は、「もう少し当初予算の精査が必要ですし、疑念を持たれたように、もっと市民にとって必要なサービスに回せるんじゃないかと考えられてもやむを得ないと私も思いますので、これからはさらに予算の査定等を徹底して行いたいと思います。」と答弁されています。
令和6年度当初予算編成において予算査定を徹底して行われた結果が、今回、物価高騰の影響を受ける子育て世代への支援策として小学校給食の無償化が、半年間の極めて限定的なものとなったということでしょうか。
中途半端な支援となっていることは残念でなりません。
教育の無償化を重要施策に掲げる我が会派としては引き続き令和6年度における小学校給食費無償化の通年実施を強く要望します。
また、改めて令和5年度の決算の状況と令和6年度当初予算の執行状況をしっかりと検証していきたいと思います。
次に、予算説明書や議案参考資料について、予算委員会財政総務分科会で質問させていただきましたが、北摂5市による共同消防指令センターに関する予算33億469.2万円が消防総務事業や指令事業で拡充扱いとされていないなど、予算説明にわかりづらいところが見受けられます。
多額の予算が計上されている以上、市民に分かり易い予算説明書や議案参考資料の作成に努めていただくことを要望します。
令和6年度一般会計予算案については、不足する部分も疑問に思う点もありますが、市民生活への多大な影響を回避することを熟慮し、予算案に賛成することといたします。