令和2年(2020年)9月定例会 個人質問
以下、議会で質問した内容と、答弁いただいた内容を記しております。
保育園の使用済み紙おむつの取扱いについて
保育園で排泄した使用済みの紙おむつは、保育園で処分すべきであるという観点から、2年前には他の議員、そして昨年、私からも質問いたしましたが、園で使用済みおむつを処分することについて検討されましたでしょうか?
特に夏場は、排泄後のおむつを園児ごとに園内で保管し、夕方に持って帰るということに強い違和感を覚えます。
電車やバスで通っている方もいるでしょう。
帰りに買物をして帰る人もいるでしょう。
使用済みのおむつを持ってどこか寄り道をしたり外食に出かけることは、衛生面上適切とは思えません。
また、感染症のリスクもあり、衛生管理の基本は、「汚物をすぐ捨てること。感染リスクを増やすので、おむつは長時間放置せず、速やかに処理すべきで、持ち帰りは見直すべきである。」という専門家の意見もあります。
また、おむつの持ち帰り用に個別で用意する袋は、ほとんどの方がコンビニやスーパーの袋を持参されており、今年から有料化されて、負担はより一層増してるとも言えます。
毎日3円~5円かかるビニール袋を持ってきております。
高齢者などの介護の施設では持ち帰るようなことはせず、施設で処分されていると聞いております。
昨年は私から、そして一昨年は他の議員からも質問ありましたが、そのときの部長の御答弁で、「他市の実施状況も参考にしながら研究していく。」と言われておりましたが、その研究した成果を順次確認したいと思います。
まずは、実施するためのコストや他市状況など、そして実施に至らなかった理由など、研究の結果を具体的にお教え願います。
ご答弁(児童部長)
北摂各市の公立保育所の状況につきましては、箕面市が、園で使用済みおむつを処分しておられます。
なお、処分費用につきましては把握しておりません。
園で全ての使用済みおむつを処分するためには、処分に係る費用や処分までの保管場所が必要となり、また、その保管に当たりましては、適切な衛生管理が必須となります。
本市におきまして処分の実施に至ってない理由でございますが、これまで、公立保育所の運営に当たりましては、子供の安心、安全に係る取組を優先して予算化し、実施してまいったところでございます。
現在、公立保育所における一般事業系ごみの収集は、週に2回となっております。
衛生的には毎日収集が理想でございますが、収集回数を増やすと費用がかさむため、保管場所の確保や適切な衛生管理方法の工夫により園処分できないか、検討を進めていたためでございます。
次に、吹田市で実施する場合の経費はどれぐらいかかると見込まれているのでしょうか?
これも具体的にお願いいたします。
ご答弁(児童部長)
園で全ての使用済みおむつを処分するための経費といたしましては、ごみの収集回数を現在の週2回のままで、三日分の使用済みおむつの保管スペースを確保して適切に衛生管理するための保管庫を全園に設置する場合は、600万円以上の費用がかかると見込んでおります。
一方、収集回数を全園において、例えば週2回から、さらに1回増やし週3回にしますと、年額にして新たに160万円以上必要になると見込んでいるところでございます。
市内公立15施設に対して600万円以上ということで、一つの施設で平均40万円以上のごみ保管庫ということになります。
かなり高いなという感じがしますね…。
聞いた限りでは、ごみ収集回数を増やしたほうが、衛生的でよさそうな感じがします。
続けます。
本市の公立保育園では、園で処分しているところはないということは分かっておりますが、民間(私立)で処分している園は把握されておりますでしょうか?
把握されておりましたら、数だけでもいいのでお教え願います。
ご答弁(児童部長)
小規模保育事業所などでは、園で処分してる施設があると仄聞しておりますが、正確な数は把握しておりません。
把握されていないということです。
質問を続けます。
前回にも申し上げましたが、保護者の中には、利用者負担でもお願いしたいくらいという方もおられます。
そういった声を拾う作業などしてきましたでしょうか。
この1年間、利用者のニーズなどについては、どのような研究をされてきましたでしょうか?
ご答弁(児童部長)
保護者ニーズにつきましては、懇談会や園見学の際に、保護者から、園での処分を希望する声が寄せられてることを把握してございます。
ここまでは、ほぼゼロ回答に近いかなというふうに思います。
民間の保育所で、おむつの処分を実施している園が幾つあるか、市は把握していない。
それで、利用者のニーズの研究ということについては自主的には特にされてなくて、催しの中でそういった声があったということは今お伺いしたんですけれども、ニーズの研究というにはちょっと遠いかなという答えでした。
声が寄せられたとおっしゃいましたけども、その数も内容も、特に示してもらっておりません。
そして、先ほど、箕面市が実施しているけれども、処分費用は把握していないと御答弁されておりましたが、昨日私が箕面市に確認しましたところ、すぐに答えが出ました。
4つの園で99万7,000円ほどとなっており、対象となる園児数は170人でした。
お伺いします。
ところで、部長のおっしゃる「研究」というのは一体何なんでしょうか?
研究というのは、吹田市でいうところの「放置をする」ということなのか、その研究という部分は一体何なのかをお教え願います。
ご答弁(児童部長)
研究ということについての私の考えということでございますが、今回のこのおむつの処分に関して申し上げますと、様々なこの間、御質問いただいて以降、保護者ニーズも含めて様々な諸課題について調べてきた、こういったものを含めて、研究してきたということで考えております。
では、次の質問に移ります。
本市は1年、いや2年もの間、研究すると言って、結局、調査・研究はほとんど進めてこられませんでしたが、私はたった3日間で、440ものサンプルと40件以上のコメントを採取しました。
昨年、部長にはアンケートをお願いしましたが、やってくれませんでしたので、私のほうで実施したわけであります。
お手元に配付しております資料(議場で配布しました資料[PDF])は、私の独自でツイッターにてアンケート調査した結果をそのまま掲載しております。
そこには、現役や元職の保育士さんや保護者の方、それ以外の方からも意見を頂いております。
一部固有名詞の箇所は伏せておりますが、その他は一切手を加えておりません。
また、やらせや偽りは一切ありません。
集めた意見を議場の資料として使うことにそれぞれ承諾を得ており、その際にもコメントを頂戴しておりまして、「働く保護者の方にも現場の保育士さんにもよい結果となり、改善されることを期待しております。」などもおっしゃっていただいております。
そして、ここには反対意見もありませんでした。
何が言いたいかといいますと、調査や研究をやろうと思えば手段は幾らでもある中で、2年間ほぼ進まなかったということは怠慢なのか、それともハナからやるつもりもなかったのか。
部長自らが御答弁されました、「研究してまいります」ということは一体何だったのか?
やろうと思えば、たった数日で一個人が調査しただけでも、これだけの成果が上がりました。
意見そしてアンケート結果を見て分かるとおり、園で処分を望まれている方が圧倒的に多いわけです。
この結果を御覧になって、部長の率直な感想をお聞かせ願います。
ご答弁(児童部長)
私もアンケート結果を拝見させていただきました。
保護者や保育士などから様々な御意見が寄せられております。
園での処分を望むという御意見が8割を超えてるということでございます。
このような御意見、そのニーズにつきましては、真摯に受け止めてるというところでございます。
簡潔に述べていただき、ありがとうございます。
次の質問に移ります。
多忙な保護者の負担が減るということで、園で処分するという取組は、子育て支援の大事な一歩となり、共働きでも子育てしやすい環境をつくろうとする吹田市の姿勢を示すことにもなります。
また、現場の保育士さんのオペレーション、そして衛生環境も改善されると聞いており、結果的に保育の質の向上につながるものと考えます。
私だけが望んでいることではありません。
多くの保護者が望まれている保育園で使用済み紙おむつの処分を、ぜひ来年度から実施していただきたく思います。
そのために、期限を切って、しっかりと中身のある調査そして研究をしていただきたく思います。
職員の皆様は優秀な方ばかりですので、決まればすぐに実施に向けて取り組んでいただけるはずです。
最後に、元児童部所管の部長でありました春藤副市長に伺います。
このアンケート調査の結果を受け止めていただき、ここで決断すべきではないでしょうか。
春藤副市長の英断を求めます。
ご答弁(児童部長)
まずは担当から御答弁を申し上げます。
児童部といたしましては、保護者や保育士の負担軽減につながるよう、また、現在、感染症が流行する中での使用済みおむつの取扱いの視点も加味しながら、引き続き、適切な処分につきまして、検討を進めてまいりたいと考えてございます。
ご答弁(春藤副市長)
使用済みおむつの取扱いに関して、保護者の方から様々な御意見頂いてることは私も認識はしておりますし、この間、検討が遅れておりますことにはおわび申し上げたいと思います。
何度も質問いただいている項目でございますので、早急にそういう調査なり事業の検討を進めて、この場ではまだ制度設計とか、担当部のほうから私、聞いたこともございませんので判断はしかねますけれども、結論を出していかなければいけない事項だと思っておりますので、真摯に対応させていただきたいと思います。
前向きな御答弁ありがとうございました。
部長からは引き続きとありましたが、「引き続き」ではなく、私からしたら「これから」ということかなというふうに理解しております。
検討を進めていただけるという前向きな御答弁いただけたことで、これはもう評価できるところであります。
ツイッター上でアンケートにお答えいただきました皆様、誠にありがとうございました。
ツイッターそしてリアルでお声を頂きました皆様のその声は、しっかりと届けさせていただきました。
経過につきましては、都度御報告させていただきます。
質問は以上になりますが、今議会の議案書が、冊子のものと、システムにアップロードされているPDFとページが一致しており、こんな小さなことでも劇的に使い勝手がよくなりました。
改善のために動いていただきました庁舎管理の方々に感謝いたします。
そして、さらなる改善に期待しております。
前回より個人質問で、私はこのiPadを使用して質問してまいりました。
理事者の皆様におかれましてもタブレットパソコンなどの持込みが可能となっておりますので、御答弁される皆様は、ぜひ堂々とタブレットパソコンを使って答弁されてはいかがでしょうか。
以上で、私の質問を終わらせていただきます。