1. 市職員の労働環境と熱中症対策
これから夏に向けて気温は上昇していきます。
近年の夏の暑さは、「命に危険を及ぼすレベルで、災害と認識」といった報道もあり、さらに、今年の夏は「観測史上最高の暑さ」になる可能性があるとの事で、言うまでもなく「熱中症」に十分に警戒する必要があります。
屋外で職務に従事する職員さんにとっては、非常に過酷なシーズンが間もなく到来しますが、そういった職員さんの健康状態が損なわれる事が、決してあってはならない事であり、また、災害級の酷暑により、市民の命を守る職員さんをはじめ、役所機能の核となる職員さんのパフォーマンスが低下する事は、市民サービスの低下に直結するため、これも回避しなくてはなりません。
まずは、熱中症予防・対策についてお伺い致します。
労働環境の指針にもなる「暑さ指数(WBGT)」ですが、屋外で職務に従事する職員さんに、どのような規定を設けられているのでしょうか?
総務部長
熱中症予防の指標となる暑さ指標のWBGT値につきましては、国の各省庁において熱中症の予防対策の一環として、業務や職場環境に応じた活用方法などが示されていることから、各職場において、それらの基準を基本とし、事業場の業務の特性や環境に合わせて対応しているところです。
消防本部にお伺いいたします。
一刻一秒を争う現場において、隊員の熱中症の対策と、症状が出た時の対応についてお教え願います。
消防長
隊員の熱中症対策といたしましては、本格的な夏が来る前に、防火衣を着用した状態で、暑熱負荷をかけたランニングや訓練などを行い、暑さに体を慣らすための暑熱順化トレーニングを実施しております。
また、災害現場活動時の対策につきましては、現場出動時に防火衣の内側に保冷剤を装着することや、冷却ベストを着用することにより、体温の上昇を抑制するとともに、あらかじめ配備している飲料水を摂取するなどの対策を講じております。
熱中症が疑われる症状が見られた場合には、速やかに現場活動から離脱させ、風通しのよい涼しい場所での休息と体の冷却及び水分補給を行い、症状の改善が見られないときには、直ちに医療機関への搬送を行うものでございます。
普段の鍛錬の成果により、これまで熱中症の事案が少ないことも聞いており、素晴らしい事ではありますが、今夏は現場活動から複数人が離脱しなくてはいけない事案が生じるケースも想定して、準備とシミュレーションをお願いしておきます。
自転車は小回りが利き、駐輪がしやすいという利点があることから、本市職員さんが、出先機関や地域を自転車で訪問するケースが多く見受けられます。
しかし、夏場には熱中症の危険が伴い、健康と安全の確保、体力的負担の軽減が課題となるなかで、移動手段としては、自動車やオートバイに加え、吹田市の特性を考慮すると、電動アシスト自転車も有効であると考えます。
電動アシスト自転車を導入することで、自転車での外出が必要な職員さんが効率的かつ効果的に業務を行い、結果として市民サービスの向上が期待できるものと考えます。
電動アシスト機能により、坂道や長距離移動も容易に行えるため、職員の体力的負担を軽減し、特に夏場の熱中症対策として健康と安全を確保することができます。
このように多面的な効果を踏まえ、電動アシスト自転車の導入の有用性についてお伺いします。
また、導入に際して、予算面以外で考慮すべき課題についても、ご所見をお聞かせください。
総務部長
電動アシスト自転車につきましては、職員の負担軽減や業務効率化の観点において有用性を認めており、業務上の必要性から一部の職場においては既に導入されております。
総務部として考慮すべき点としましては、自転車本体が重く、スピードが出やすいため、事故発生時において本人や相手の方が、けがが重症化することなど、職員の安全面に関することが挙げられます。
事故や怪我はノーマルな自転車でも起こるわけで、どちらにしても気をつけなくちゃいけないものですが、電動アシスト自転車の有用性については、同じ認識であると理解しましたので、各部署より要望がありましたなら、導入に係る予算枠を拡張するなど、積極的にご支援頂けますよう、要望しておきます。