令和5年11月定例会 個人質問 [1.自治体DXについて]

目次

議案第92号 吹田市 情報通信技術を活用した 行政の推進に関する条例の制定について

高村まさとし

なぜこのタイミングの条例提案となったのか、また、このような条例を定める理由について、市民に分かりやすい形で具体的に教え願います。

担当部長

行政経営部長
吹田市情報通信技術を活用した行政の推進に関する条例、通称デジタル手続条例は、市の条例等に基づく手続等について、従来から実施している書面による方法に加え、デジタルを活用した方法でも行えるということをお示しすることにより、行政のデジタル化を推進し、関係者の利便性向上、行政運営の簡素化、効率化を図り、市民生活の向上に寄与するということを目的といたしております。
本市では、コロナ禍における非接触ニーズの高まりを受け、令和5年度末までに原則、全ての手続を電子化するということを目標として取組を進めており、着手可能なものから順次実施し、これまでに多くの手続を電子化いたしております。
今年度は、本取組の最終年度に当たりますことから、目標の達成に向け、個別の条例などの規定により取組に着手できていない一部の手続につきましても電子化を可能とするため、このタイミングで条例案の提案を行ったものでございます。

高村まさとし

当条例の制定による市民への直接の影響についてお教え願います。

担当部長

行政経営部長
デジタル手続条例制定の効果といたしましては、従来、個別の条例の規定によって電子化に着手できていなかった手続等につきましても、準備が整い次第、順次デジタルでも対応が可能となるため、時間や場所にとらわれずに手続ができる、また、添付書面等を省略できるなど利便性が向上するということが挙げられます。
なお、本条例は従来の書面による手続等を妨げるという趣旨のものではございません。

生成AIの利活用状況について

高村まさとし

本市では、業務における生成AIの利用を開始しておりますが、OPEN AIのChatGPTを利用対象製品として選定された理由、およびChatGPTの利用を想定されている具体的な業務について、お教え願います。
また、利用に際しての注意点や、その知識の共有方法についても、併せてお教え願います。

担当部長

行政経営部長
業務における生成AIの利活用につきましては、本年10月に利活用ガイドラインを示すとともに、オープンAI社のチャットGTPの利用を開始いたしております。
様々な製品が次々に開発されておりますが、まずは無償で広く普及をしており、トップランナーともいうべきチャットGTPにつきまして、利用ポリシーを確認の上で使用することとしたものでございます。
利用を想定している具体的な業務といたしましては、文章の要約、まとめ、文案の作成、知見やアイデアの提供などがございます。
利用に際して認識しておくべき注意点として、情報漏洩、内容の正確性に関する疑義、知的財産権侵害などのリスクがございまして、その対応につきましてもガイドラインにて全庁に示しております。

高村まさとし

よく使うエクセルやパワーポイントなど、使用するアプリやシステムによってAIの相性が分かれますので、必要に応じて適切な生成AIを使い分けられてもいいと思います。 また、チャットGTPはプラグインを利用することで、業務の幅が広げ広がるものと思いますので、そういった使い方に関しても現場に落とし込んでいただきたいと思います。

市民サービスコーナー廃止による今後の取り組みについて

高村まさとし

令和6年2月末をもちまして、市民サービスコーナーが廃止となる予定ですが、その後は、各種証明書の発行の取り扱いは、市役所や各出張所とコンビニエンスストアという事になります。
「証明書の発行できる機関が減ると困る」という声もあるでしょうが、この機会を利用して、早い・安い・近いコンビニエンスストアでの証明書発行を積極的に促し、高齢者の皆様にもマイナンバーカードの活用を是非とも進めて頂きたく思います。
 
その為の利便性向上として、「発行時間」の拡充や、「課税・納税証明」「固定資産評価証明書」等他の自治体でも行われている各種証明書の発行の拡充と、庁内1階フロアにキオスク端末を設置するなど、検討が必要ではないかと考えます。
 
庁内1階フロアにキオスク端末を設置することで、その場で職員によるコンビニ交付の操作説明をすることが可能となり、今後コンビニでの交付の利用促進が期待されるものと考えますが、担当所管のお考えをお聞かせ願います。

担当部長

市民部長
マイナンバーカードを使って各種証明書が取得できるコンビニエンスストア等は、市内に約120か所あり、市役所本庁舎地下1階にもございます。
本庁舎地下コンビニエンスストアでの証明書発行については、市民課等の窓口において、積極的に声かけを行っているところでございます。
そうしたことから、現時点では市として独自にマルチコピー機を設置する予定はございませんが、身近なコンビニエンスストア等で各種証明書の取得ができることや、証明書発行の具体的な機械の操作方法について、市ホームページや市報すいた11月号に掲載するなど、積極的な周知に努めております。
今後とも、周知方法を工夫しながら、マイナンバーカードの利用促進を進めてまいります。

高村まさとし

市報や紙媒体、動画によるチュートリアルを提供していただいていることは理解しております。
しかし、実際に機械を操作する経験を通じて、初めて操作方法を習得する方々も多いと考えられます。
特に、新しい技術に抵抗感を持つ方々にとって、直接の体験は大きな助けとなる事でしょう。

実際のマルチコピー機の設置に予算や業務の面で課題があることは承知しておりますが、窓口近くや専用ブースを設けて、例えばマルチコピー機に模した、箱か何かで疑似体験ができれば、実際の操作に対する不安を軽減できるのではないでしょうか。
それ以外の方法でも、こういったハードルを少しでも下げられるような工夫や、更なる取り組みについて、ご検討いただければと思います。

吹田市におけるデータドリブン政策の推進について

高村まさとし

現代社会において、データは新たな価値創造の源泉となっています。
「過去の経験から判断して、これが妥当だろう」と考えて、科学的根拠に基づかずに勢いで決めるKKD(勘・経験・度胸)ではなくて、収集したデータを活用した政策立案は、市民サービスの質の向上や効率的で効果的な行政運営に大きく貢献いたします。
本市においても今後こういったEBPM(エビデンス ベースト ポリシー メイキング)によるデータドリブンの政策を積極的に推進する必要があると考えます。
 
パブリックコメントもEBPMの一環であると考えますが、パブリックコメントで得られた意見の有用性について、本市はどのようにお考えかお示し願います。

担当部長

市民部長
パブリックコメントは、市民参画の一つの手法として、市の政策等を決定する過程で市民からの意見を募集し、その意見に対する市の考えを公表することによって、行政として説明責任を果たす制度でございます。
その有用性としましては、市民に市政への参画機会を保障し、行政運営の公正性の確保と透明性の向上を図り、ひいては市民自治の確立に寄与するものと考えております。

高村まさとし

本市で行うパブリックコメントについて、集まった意見が0件というものが多く見受けられます。
担当所管にとっては、一見好都合かもしれませんが、施策や予算の提案にあたっては説得力に欠ける事や、懸念材料となる事もあるかと思います。
または、たくさん意見が集まっていたとしても、政策的に偏った意見が集中している場合においては、これまたエビデンスとして不十分であると考えます。
パブリックコメントで、市民意見を少しでも多く集めるための工夫について、現在どのように行われていて、今後どういった取り組みをするべきか、本市のお考えをお聞かせください。

担当部長

市民部長
パブリックコメントの実施における情報発信の工夫としましては、できるだけ早い段階での市ホームページにおける実施予告や市報への掲載に加え、市のフェイスブックやLINEなどのSNSを活用しております。
また、意見収集の工夫としましては、市の窓口への直接提出、郵便、ファクシミリ、電子メールに加え、市ホームページの電子申込システムなどを活用しております。
今後も多様な手段を用いた意見の募集に積極的に取り組んでまいります。

高村まさとし

色々やっていただいている状況でも、市民の目につかないこともあり、そもそも「パブリックコメント」という言葉自体が市民に馴染みがないのかもしれません。
主役となる市民がパブリックコメントに親しみを感じ、積極的に声を届ける・参加するきっかけとなる愛称をそれこそ生成AIの力を借りてみてはいかがでしょうか。
是非ともご検討の程よろしくお願いいたします。

道路状況のEBPMについて

高村まさとし

公式LINEを通じて道路や公園、屋外違反広告物の通報が可能となっておりますが、車道など大きな通りや交通量の多い道路については、写真を撮影して通報する事はなかなか難しいのが現状です。
 
世界に目を向けると、自動車に取り付けられたエレマティクスセンサーが、急ハンドル・急ブレーキを感知してデータを蓄積し、このビッグデータを使った、事故のリスクが低い優良ドライバーの掛け金を安くする「運転行動連動型」の自動車保険が誕生しており、国内においてもテレマティクス保険の普及が見られます。
 
これらのデータは、保険のみならず、道路の異常や危険箇所の発見、そして適切な道路修繕や改善にも、大いに活用できる可能性がございます。
これはKKDやエピソードベースではなく、エビデンスベースのEBPMの典型的な例ではないでしょうか。
 
このように、エレマティクスシステムのビッグデータを保有する事業者との連携は、本市のインフラ整備の課題解決に大きく寄与するものと思われますが、担当所管のご所見をお聞かせ願います。

担当部長

土木部長
道路の修繕や舗装の補修等につきましては、現在、ライン通報や市職員による日常のパトロール及びメール等による市民要望の対応に加え、道路ストック総点検事業を行っているところです。
具体的には、路面性状調査を行い、その結果から、個別施設計画を作成するとともに、路面下空洞調査なども行い、道路の維持管理に積極的に取り組んでおります。
御紹介いただきました一般車両に取り付けたセンサーから、路面の凹凸や急ハンドル、急ブレーキ、急停車の多い箇所、移動経路や交通量等が得られるビッグデータの活用につきましては、一定の費用を要することから、それを上回る有効性があるかどうか、他市事例など情報収集を進め、検証していくことが必要と考えております。

高村まさとし

色々取り組んでいただいている所かと存じますが、お示しいただいた現状の取り組みからDXへと一段ステージを上げて頂きたく思います。
エレマティクスの技術やデータを使ったビジネスは、沢山ございますので、一社に限らず色んな企業に目を向けて、相見積もりをとるなどして、本市にとって最適なものを見つけて適正に予算をつけて頂けたらと思います。
吹田市のインフラ整備が劇的に変わりますので、是非ともご検討のほど宜しくお願い致します。

吹田市のデジタル政策について

高村まさとし

DXの本質は単なるシステムの刷新や高度化にとどまらず、事業環境の変化に、迅速に適応する能力を身に着け、企業文化を変革することにあるとされています。
地方自治体においても、この考え方は重要であり、単なるデジタル化ではなく、組織全体としての柔軟な適応能力の確保と、固定観念からの脱却が求められています。
 
10月に行われた政策調整会議において、行政経営部の「情報政策室」の名称を「デジタル政策室」へと変更することが承認されました。
この変更は、単なる名称の更新に留まらず、市政のデジタル変革の、中心的な役割を担うハブとして、組織や業務のイノベーションを目指す重要な一歩であると私は認識しております。
 
「情報政策室」が、市政のDXを先導する「デジタル政策室」へと改名する重要な変更に際し、その背後にある具体的な役割や計画、取り組みの方向性や目標について、これまでの内部協議の内容等を踏まえてお示し願います。

担当部長

行政経営部長
コロナ禍で加速したデジタル化の動きが、従来のICT活用や情報化推進といった枠組みにはとどまらないものとなっております中、情報政策室との名称につきましても、同室が担っている役割、また、今後さらに強化していくべき役割にふさわしい端的なネーミングとして、デジタル政策室へと見直すこととしたものでございます。
本市のDXは、これまでペーパーレス、キャッシュレス、サスティナブルといった観点を柱として進めてまいりました。
現在、新たな計画の策定を進めておりまして、市が目指す姿やビジョンを改めて整理をしているところでございます。
新名称の組織を中心に、新たな計画の下、デジタル化を通じた市民サービス向上や業務効率化に資する政策をより一層強力に、また、一段高い視座を意識して進めてまいりたいと考えております。

高村まさとし

新たに「デジタル政策室」へと改名されることに伴い、この重要な部門を牽引するため、かつて廃止された理事ポジションを復活させ、技術だけではない強力なリーダーシップを確立することが不可欠ではないでしょうか。
組織全体のデジタル変革をリードする役割を担うポジションを設けることで、より一層の成果を期待できるのではないかと考えますが、副市長のお考えをお聞かせください。

担当部長

行政経営部長
まずは担当よりお答え申し上げます。 自治体DXの取組は、市を挙げて進めるものであり、その中心的な役割を担う組織として、情報政策室改めデジタル政策室に、より一層のスピード感と、強いリーダーシップの発揮が求められるのは御指摘のとおりかと存じます。 CIOの下、業務プロセス改善を推進する企画財政室との2室の両輪により、DX推進に一層注力してまいりたいとの認識でございます。

副市長

副市長
自治体DXを着実に進めていくために必要な組織体制等につきましては、新たなデジタル計画のない取組内容やその役割、あるいは進捗状況等を考慮しながら、柔軟に検討してまいりたいと考えております。

高村まさとし

何度も申し上げますが、DXの本質は、単に最新技術を導入するにとどまりません。
組織の根幹をなす思考と文化を革新し、新しい時代に適応させるという、深い意義を持つプロセスであり、この取り組みは、日々の業務やコミュニケーションの質を向上させ、変化への柔軟な対応力を養うことに直結します。
自治体DXが目指すのものは、「単なるデジタル化」ではなくその先にある、市民サービスの質の向上や行政の効率化、そして市民との新たなつながりの創造であると考えます。
これを実現するためには、単に既存の業務をデジタル化するだけでなく、既存の業務プロセスの根本的な見直し、組織文化の変革、市民ニーズへの敏感な対応が欠かせません。
 
市長にお伺いいたします。
市長が考える、吹田市がDXによって目指す未来像とはどのようなものでしょうか?
また、このビジョンを実現に導くため、担当所管としてはどのような方策や手法を採用されていますでしょうか。
DXが市民生活にもたらす利益や変革、さらに市行政における新たな価値創造の可能性について、市長の深い洞察をお聞かせください。

担当部長

行政経営部長
自治体DXの狙いといたしまして、手続の電子化をはじめ、デジタル化がもたらす市民の利便性向上はもちろんのこと、業務の効率化を進め、人でなければ対応できない業務にマンパワーを集中させていくという点もあるとの認識でございます。
取組の推進に当たりましては、デジタルの領域だけではなく、アナログの領域も含めた市の業務全体の品質向上や改革を図り、ひいては持続可能な行政運営を目指していくという視点が欠かせないものと考えております。

こうした観点も含めまして、デジタル政策室への改称とともに、次期計画の策定を進めているところでございますが、計画の期間、また、その先の将来も見越しながら、時代の要請に応じたデジタル政策の推進に努めてまいりたいと考えております。

市長

市長
御質問の趣旨は主に行政業務がDX化により、どう変化、変革していくか。
それに伴って市民の生活がどうなるかという趣旨であったかと理解をしてます。
ただ、深い洞察をいう御期待でございますので、DX化そのものが我々にとって一体どういう社会をもたらすのかというところにも触れさせていただきたいと思います。
DXの未来像について、まず私が考察をできる範囲は、近未来が限界です。
その上で吹田市がという御質問ですが、私は自治体のありようは、DXと通信技術の劇的な進化により、流動化し、吹田市という地理的な概念は曖昧になっていくのではないかと考えております。
移動手段とAI技術の進化も加わって、特にスプロール化により拡大した都市部において、明確な市域協会の存在意義が曖昧となり、遠隔地同士も含め、おのずと柔軟な地域間連携による自治体経営が始まることでしょう。
NATSは未熟ながら、その概念を先取りしたものでございます。
その中で市民生活がどうなるか。私は今でさえ希薄になってきたアナログな地域コミュニティがさらに弱体化することを懸念します。
地域の運動会にアバターで参加するような世界を望むものではありません。
近未来を生きる世代には、さらなるDX化の進展による、よりよい社会の実現を期待すると同時に、アナログの本質的な重要性を軽んじることのないよう、お伝えをする責務を感じております。

高村まさとし

壮大なスケールで未来を語っていただきありがとうございます。
地理的なものが曖昧になるという、テレワークとかもそうなんですけども、場所を選ばずこういったネットワークであったり、こういったデジタルを使ってつながっていくというのは本当に未来には必要不可欠であるというのは私も思っております。

近未来というか、もしかしたら、今のテクノロジーの進化で考えると、現未来になるかもしれない今のお話が、市長の考えるファンタジーやフィクションで終わらないことを願っております。
 
一連の質問に対する答弁で、次期計画策定、新たな計画の策定、という言葉が出ましたが、日進月歩というか、秒進分歩のごとく、テクノロジーの進化は凄まじく、計画に沿って施策を進めるだけでは変化の対応に遅れをとる事もあります。
吹田市のDXにおける長期的なビジョンに向けた取り組みだけでなく、最新のトレンドにも柔軟に対応できるアジャイルなガバナンスも視野に入れ、部長からもご答弁を頂いておりますが、遠くを見ながらでも足もとで起こる大きな変化にもしなやかに対応いただけますようお願いしておきます。

この投稿について、「頑張ってるね!」と思っている人が多いみたいですね。参考にします!(^^)
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