令和7年11月定例会 個人質問 [2.木造密集地域の複合火災リスクと対策について]

令和7年9月定例会 個人質問 トピックス

目次

木造密集地域の複合火災リスクと対策について

高村まさとし

去る11月18日、大分市佐賀関地区において、強風・乾燥・木造密集地形が重なり、約170棟焼失に及ぶ大規模火災が発生しました。
まずは被害に遭われた皆さまに、心よりお見舞いを申し上げます。
火の粉が海を越え、離島へ飛び火した事例は、従来の想定を超える危険性を示したものであり、本市においても全くの他人事というわけにはいかないものと考えます。
 
本市においても、木造住宅密集地域では、道路幅員が十分でない箇所に加え、セットバックにより確保された後退敷地に、物置や自転車、植栽などが置かれている事もあるため、実質的に消防車両の通行・展開スペースが確保されていない状況も散見されるほか、避難困難者が多い地域、さらには老朽空き家が点在する地域が存在しています。

これらの条件が複合すると、佐賀関と同様の大規模延焼が発生し得ると強い危機感を持っております。
以下、木造密集地域の火災リスクを総合的に捉えた上で質問いたします。

Q1 狭隘道路の把握と対策について

高村まさとし

木造密集地域に存在する狭隘道路について、本市はその実態をどの程度把握しているのか、具体的にお聞かせください。

担当部長

都市計画部長
都市計画部では、市内全域において、建築時にセットバックが必要な道路として、建築基準法第42条第2項道路の指定はしておりますが、幅員4m未満の道路の実態は把握しておりません。

高村まさとし

本市では実態を把握されていないとの事です。

高村まさとし

消防活動に支障が生じると判断される道路について、改善に向けた計画や方針をどのように考えているのか伺います。

担当部長

都市計画部長
消防本部からは、消防活動に支障が生じている地域はないとお聞きしており、改善に向けた計画や方針は持ち合わせていません。
なお、建築基準法第42条第2項道路に面している敷地においては、建築時にセットバックが必要となっています。

高村まさとし

狭隘道路に関する情報共有は、消防と都市計画部の部局間でどこまで連携できているのか伺います。

担当部長

消防長
消防本部で把握しております狭隘道路の情報につきましては、都市計画部との共有は行っておりません。

担当部長

都市計画部長
幅員4m未満の道路の実態につきましては、把握していないため、消防本部と情報共有は行っておりません。

Q2 セットバックの実効性確保について

高村まさとし

道路後退が必要な区域において、本市はセットバックの履行状況をどのように確認しているのか伺います。

担当部長

都市計画部長
建築基準法では確認申請で、セットバックの適合性を判断し、完了検査でセットバックが行われているか現地で確認しております。

高村まさとし

後退敷地が物置や自転車などで、恒常的に占用されているケースへの行政からの指導体制はどうなっているのか、またその実効性について伺います。

担当部長

都市計画部長
自転車や小規模な物置につきましては、建築基準法に基づく建造物に当たらないことから、指導は行っておりません。

高村まさとし

木造密集地域から優先的に、セットバックの実効性を点検する調査の実施が必要なのではないかと考えますが、市のご見解を伺います。

担当部長

都市計画部長
現在は、市内全域を対象に、セットバックが必要な道路部分に、門や塀などを設置しないように、大阪府下の特定行政庁で作成したチラシによる啓発やパトロールを行うとともに、必要に応じて法に基づく指導を行っております。
今後も引き続き啓発や必要な指導を行ってまいります。

高村まさとし

今回、後退敷地の私物占用については「建築基準法にあたらないから指導しない」といったようなご答弁でした。
しかし、私が申し上げたいのは、違法建築かどうかではなく、火災時に安全で迅速な対応が行える環境が整っているかという点です。
消防現場の皆さまは、どのような状況でももちろん対応されるという崇高な使命をお持ちですが、だからこそ、現場の方々に無用な負担やリスクをかけない環境整備は、行政の責務だと考えます。
建築基準法の枠に入らないから何もしない、ではなく、啓発や地域との協議など、防災上必要な観点からの対応を検討していただきたいと思います

この点を改めて都市計画部さんだけでなく消防の方にも申し上げておきます。

Q3 要支援者情報の現場活用について

高村まさとし

火災発生時、要支援者情報が消防現場にリアルタイムで共有されているのか。
その仕組みの現状を伺います。

担当部長

消防長
要支援者情報につきましては、関係部局からデータの提供を受け、火災発生時には消防指令センターで必要な情報を確認し、災害現場へ伝える仕組みを構築しております。

高村まさとし

本部と現場ではリアルタイムで共有しているという事ですが、関係部局つまり福祉部さんからのデータ提供は、年2回ほど受け渡されていると伺っています。
火災の現場では、そこに要支援の方がいるかどうかで、救助の優先順位も行動も大きく変わるのではないでしょうか。
にもかかわらず、年2回程の更新では、入退院や転居などの変化に対応できず、情報が実態とずれる事が生じるものと考えます。
また、受け渡しがUSBメモリ等の物理媒体であると伺っており、紛失リスクや作業負担の点からも、現在の行政連携として適切とは言えません。
要支援者情報は命に直結するデータであり、より頻度の高い更新と、安全で迅速なデジタル連携への移行が必要であることを強く申し上げておきます。

Q4 火災警報基準の明確化について

高村まさとし

本市では気象条件として一定の湿度以下の乾燥状態、そして最大風速10メートル以上の強風時に、必要に応じて発令する事ができる「火災警報」が定められておりますが、これまでにその基準を満たして発令に至ったケースはありますか?
あれば回数、なければその理由についてお教え願います。

担当部長

消防長
本市におきましては、これまで火災警報の発令に至ったケースはございません。
理由といたしましては、気象条件に加えて、乾燥注意報や強風注意報の継続状況を踏まえ、総合的に見極めた結果、火災警報の発令は必要ないと判断したためでございます。

高村まさとし

現在の風速・湿度の条件については、日常的に起こりうるということを考えると、有形無実化している本市の火災警報の基準について、必要ないなら削除、発令することがあるというなら、条件となる風速や湿度の数値を見直し、同じ市内でも地域によって特性を踏まえる、そして警報の周知の方法など、それぞれ現在の実情に沿って総合的な考えのもと、改定が必要と考えますが、消防長のご見解を伺います。

担当部長

消防長
火災が発生しやすい気象条件下におきましては、住民に対しましてより一層、火災発生リスクの注意喚起を強化するための手段の一つとして、火災警報の発令は必要と考えております。

火災警報の基準の見直しにつきましては、国の動向も踏まえ、本市の実情に応じた発令について研究してまいります。

高村まさとし

風速・湿度の両方で条件を満たした回数は年間で24回あったと聞いておりますが、警報の発令は無かったという事を考えると、やはり基準自体が実情にマッチしていないものと思われますので、基準の見直しについては、本市の実情を踏まえて取り組んで頂きますよう、お願いしておきます。

Q5 空き家がもたらす火災リスクと対策について

高村まさとし

佐賀関の火災では、管理不全の空き家が延焼拡大に、影響した可能性が指摘されております。
本市においても、木造密集地域内に老朽化した空き家が点在し、「放火の標的になりやすい」「初期消火が遅れ延焼を招きやすい」「倒壊により消防活動を阻害する」といった複合的なリスクが存在すると考えます。
そこで伺います。

高村まさとし

木造密集地域に所在する空き家の数、老朽度、管理状況など、火災リスクに直結する基礎データを市としてどこまで把握しているのか伺います。

担当部長

都市計画部長
本市では、令和6年度(2024年度)に空き家等実態調査を実施いたしました。
同調査では、本市全域で1,850件の空き家を確認しており、その全てについて、危険性や衛生面・景観面、その他周辺の生活環境への悪影響の度合いを複合的に判定した評点により管理状況を分類し、実態を把握しております。

高村まさとし

管理不全空き家について、危険度評価や消防との情報共有はどのように行われているのか。
現状の連携体制を伺います。

担当部長

都市計画部長
空き家については、本市が作成した判定表に基づく評点を用いて判定しており、40点以上を空家等対策の推進に関する特別措置法に基づく管理不全空き家等と位置づけております。

また、主な空き家の指導状況や吹田市空家等対策計画の進捗状況等につきましては、庁内関係部局により構成される吹田市空家等対策会議において適宜報告し、情報共有を図っております。

高村まさとし

特定空き家に対する本市の取り組み実績と、その実効性に関する市の評価を伺います。

担当部長

都市計画部長
本市では、毎年120件以上の空き家に関する相談対応を実施しています。また、これまでに危険な空き家等16件に対して、特定空家等に対して、法に基づく対応を進めてまいりました。そのうち11件は本市の指導等により、所有者が除却または修繕を実施し、2件は本市の行政代執行や略式代執行等により解消。残る3件は、現在、指導を継続しているところでございます。

本市の特定空家等は、そのほとんどが所有者により自主的に是正されており、引き続き空き家法や吹田市空家等の適切な管理に関する条例に基づき対応してまいります。

高村まさとし

大規模火災防止の観点から、危険空き家の優先順位付け、除却支援の重点化、防災計画との連動強化の必要性について、本市の考えを伺います。

担当部長

都市計画部長
空き家については、危険性や、衛生面・景観面・その他周辺の生活環境への悪影響の度合いを総合的に判断し、判定表に基づく評点の高いものから優先的に対応しております。
除却支援につきましては、空き家問題の解決に向けた手段の一つと認識しておりますが、空き家は個人の財産であることから、公的支援になじまないものと考えております。
防災計画との連動強化につきましては、引き続き吹田市空家等対策会議において、危険な空き家の状況等について情報を共有し、対応を実施してまいります。

高村まさとし

佐賀関の火災は、道路条件、建築状況、高齢化、気象、空き家管理など、多様な要因が重なり発生した“複合災害”であります。
本市においても、
 ・狭隘道路の改善
 ・セットバックの実効性確保
 ・要支援者情報の共有
 ・火災警報基準の明確化
 ・空き家リスクへの戦略的対応
これら複数の施策を総合的に進めることが、木造密集地域の安全性向上には不可欠であります。
部局横断の連携強化を強く求めます。担当部長
議事録待ち

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