高村まさとし近年、気候変動に伴う生命の危険を伴う猛暑により、屋外での水泳授業は、子どもたちにとって「命の危険」と隣り合わせの状況にあります。
現に、環境省の暑さ指数(WBGT)が基準を超え、水温が35度に達するなどして、水泳授業が中止となることも珍しいことではなく、単なる泳力の低下だけではなく、命を守るスキルや知識を身につける機会の減少につながっています。
熱中症、そして日焼けによる火傷など、屋外プールという環境自体が子どもの健康管理において限界を迎えており、「計画した授業の半分も実施できない」という実態から、全校で自校屋外プールの全面廃止と民間屋内プールへの完全移行を決断されている自治体もあります。
笹川スポーツ財団の2024年の調査によれば、全国で自校以外の公共施設を活用している自治体は44.1%、民間事業者に委託している自治体は20.4%に達しており、自校屋外プールからの脱却は、もはや一部の先進事例ではなく、不可逆的な全国トレンドです。
加えて、教職員はプール清掃、水質管理、安全監視など多くの業務を担っており、働き方改革の観点からも、見直しが必要な課題であると考えます。
「昭和の時代に整備された学校の屋外プール」というインフラモデルそのものが、現代の気候や教育課題に適合していないという構造的な問題と捉え、以上の背景を踏まえて質問いたします。
Q3-1 現行方式の課題認識



現在、水泳授業のあり方については全国的に見直しの機運が高まっています。
2月にスポーツ庁が示した『持続可能な水泳授業の実施に向けた参考資料』の中では、現在の水泳授業の課題として「施設の老朽化とコスト増」「教職員の重い負担」「猛暑等による計画的な授業実施の困難性」という3点が明確に指摘されています。
スポーツ庁も持続可能な水泳授業のあり方について検討を促していますが、本市として現行の自校プール方式の課題をどのように認識しているのか、お聞かせください。



教育監
本市におきましても、スポーツ庁が示すプールの老朽化や、天候等の影響による計画的な授業実施の困難性は課題と捉えており、特に近年における気候変動に伴う猛暑は児童・生徒の健康管理におきまして深刻な課題と認識しております。
Q3-2 学習機会の確保



猛暑による水泳授業の中止が常態化することで、子どもたちの「命を守るための泳力」や「水の特性を知る」機会が、過去と比べて確実に失われてきています。
この現代の(泳力低下傾向などの)課題に対して、教育委員会としての見解を求めます。



教育監
近年の猛暑により、従来のような水泳指導の機会を確保しづらい環境が続いております。
一方で、本市におきましては、水泳指導の方法が確立されており、限られた時間の中で教員が指導の質を工夫し、着衣泳や安全指導を含めた、命を守る泳力の習得に努めてきた結果、児童・生徒の泳力は一定の向上を見せているものと認識しております。
市教育委員会といたしましては、引き続き学校現場と連携し、児童・生徒が命を守る泳力を身につけられるよう、取り組んでまいります。
意見



本市の教育委員会として、各学校の水泳授業の実施回数や中止回数を把握していない中で、「一定の泳力向上が見られる」との評価は何を根拠としているのでしょうか。
その向上傾向にある泳力は、全体の平均なのか、スイミングスクールに通う子も含めて言っているのか。
スイミングスクールに通っていない子も、泳力が向上しているのか。
まずは現状を正確に把握し、授業実施率と泳力との関係を検証することが必要ではないかと申し述べておきます。
Q3-3 外部施設活用の可能性



子どもの命と健康を最優先に考えた場合、また泳力を育むための十分な授業数の確保を考え、水泳授業の場所を屋内プールを有する民間施設または公共施設へ移行すべきと考えます。
また、水泳指導を外部のインストラクターに委託することで、児童・生徒はより安全で効果的な技術指導を受けられます。
市内全校一斉の民間委託が難しい場合でも、児童生徒数が少なく、片山市民プール・勤労者会館(アスワーク)など既存の公共施設が近隣にある学校から、試験的に自校プールを使わず外部施設を活用する「公・公連携」のモデル事業を始めるところから、スタートされてみてはいかがでしょうか?
以上、教育委員会のお考えをお聞かせ願います。



教育監
自校のプールを活用した水泳指導は移動時間を要さず、限られた授業時間を最大限に活用できる点や安全確保の点、また、担当教員が直接指導をすることで、児童・生徒の個々の特性を把握しながら指導できる点におきまして、依然として大きな教育的効果があるものと認識しております。
その上で御質問にある、子供の命と健康を最優先に、今後も安全管理と教員の指導力の強化を重点的に取り組んでまいります。
なお、引き続き外部施設の利用の有効活用が進んでいる他の自治体の状況を注視してまいります。
意見



やらない理由を述べようと思えば、いくらでも出てくるでしょう。
「子供の命と健康を最優先」とご答弁頂きましたが、水温と気温の狭いストライクゾーンは、今後さらに気候変動が進む中で、ますます狭まります。
自校屋外プール方式を前提としたままでは、授業機会の確保が困難であり、課題は残ります。
吹田市には長年培われた水泳教育の歴史があり、これは全国に誇るべき素晴らしい教育文化です。
だからこそ、時代が移り、環境が大きく変わる中、従来の形にこだわるのではなく、その理念を将来に引き継ぐために、新たな実施方法を検討すべき時期に来ていると考えます。
学校の屋外プール施設を「屋根付き」、もしくは「屋内型」にする以外に、自校実施の継続は厳しいでしょう。
まずは学校外の公共プールを活用したモデル事業など、小さくても具体的な検証を始めることを要望しておきます。








