シンプルな工夫が、環境問題に対して驚くほど効果を発揮した好例です。

記事の説明
京都府亀岡市が取り組むごみ削減策が、全国的にも注目されています。特に注目すべきは、「燃やすごみ」や「埋立てごみ」といった従来の表記を、「燃やすしかないごみ」「埋立てるしかないごみ」と言い換えた、たった一言の変更によって、市民の意識と行動が大きく変わったという事例です。
この言い換えにより、2022年度から2024年度のわずか2年間で、市内のごみ排出量は約2000トン(14%)も削減されました。
亀岡市では、もともと「燃やすごみ」「プラスチック製容器包装」「埋立てごみ」の3区分だった分別方法を、6区分に拡大しました。
ただし、これは市民に過度な負担を強いるような制度ではなく、むしろ分別ルールを明確にし、理解しやすくしたものです。
その中でも、ごみ袋に記載された言葉の工夫が大きな効果を生みました。例えば、「燃やすしかないごみ」という表現は、市民に対し「これはどうしても燃やさざるを得ないごみなのだ」と、分別の重要性を感情的にも理性的にも理解させる効果を発揮したと考えられます。
さらに、市はこれにとどまらず、分別されたプラスチックごみを再利用し、その素材を一部使用した指定ごみ袋を導入。このごみ袋には「この袋は市民の分別したごみをリサイクルして作られています」と明記し、取り組みの成果を市民自身が実感できる設計にしています。
また、亀岡市はプラスチック製レジ袋の配布を有料・無料問わず条例で禁止した日本唯一の自治体でもあります。
この背景には、観光名所である保津川の清掃活動を長年続けてきた市民や船頭たちの努力があり、彼らの声と行動が、行政の施策を動かすきっかけとなりました。
亀岡市のこの取り組みは、市民参加型の環境政策として、そして小さなコストで大きな効果を上げる行政改革の好例として、多くの自治体にとって示唆に富むモデルケースです。
行政のちょっとした言葉の工夫が、市民の意識改革を促し、社会全体の持続可能性に貢献するという力強いメッセージを私たちに伝えてくれます。
高村の考え
この亀岡市の取り組み、実に興味深いですね。分別制度の改定だけでなく、ごみ袋に書かれる名称の工夫で市民の意識と行動が変わるというのは、まさに行政による「言葉のデザイン」の妙です。
「燃やすしかないごみ」と記されることで、そこに「選択肢がない」という現実を突きつけられるわけで、それが市民の分別への自覚を高めたという効果は、行政が目指すべき「ナッジ理論」の実践例とも言えます。
また、注目すべきは亀岡市が制度だけでなく、市民を巻き込む「説明会」や「再資源化したごみ袋の提供」など、分別の成果を“実感できる設計”にしていること。
これにより市民の意識が持続し、実効性の高い政策につながっているのかなと思います。
無理なく、しかし確実に変化を促す手法、勉強になりますね。