教育のICT化が進む中で見過ごせないのが、端末の“その後”の話です。

記事の説明
2025年にピークを迎えるとされるGIGAスクール端末の処分を巡り、全国の教育委員会の対応に大きなばらつきが見られることが、児童生徒のデータプライバシー協会による実態調査で明らかになりました。同調査は全国104の教育委員会を対象に2024年4月末から5月上旬にかけて実施され、その結果、文部科学省が推奨する「専用ソフトウェアを利用した確実なデータ消去」を実施している自治体はわずか12.5%にとどまることが分かりました。
調査では、データ消去に適正とは言いがたい「初期化」や「磁気消去」が全体の23%を占め、通電できない端末をやむを得ず物理的に破壊する方法と合わせると、約4割の教育委員会が、厳密な消去証明が取れない処分方法を採っていることになります。また、「データ消去の履行確認」についても、1台ごとの消去ログが取れないケースが37.5%にのぼり、セキュリティ上のリスクが懸念されます。
さらに、外部委託や内部処理に必要な予算や人員体制が不十分な自治体も多く、「必要な情報が不足している」「信頼できる業者が見つからない」「予算が確保できない」といった実務的な課題も浮き彫りになりました。
高村の考え
まぁリテラシーの差が、そのまま自治体の対応の差となっているんだと思います。
文科省が示すセキュリティガイドラインに準拠し、専用ソフトウェアでの消去を徹底している自治体がごく一部にとどまる現状は、極めて憂慮するところです。
吹田市では、GIGAスクール端末の処分に関して、教育委員会を中心にかなり踏み込んだ議論と情報共有をしてきたつもりです。
「わからないからとりあえず初期化でいいだろう」という発想は、もはや情報セキュリティの時代においては通用しません。特に、児童生徒の個人情報が保存されていた端末であれば、その処分方法は極めて慎重に、そして厳密であるべきです。
現場に十分なノウハウや機材がない場合は、迷わず信頼できる専門業者に業務を委託する判断が求められます。
ここに必要なのは、正しい判断をするための情報リテラシーであり、加えて、リスクを過小評価せずに正面から向き合う意識です。
しっかりと議論を重ねてリスクを顕在化させ、適切な委託先を選定するプロセスは、今後全国的に求められてくるスタンダードになるはずです。
今後の行政運営においては、セキュリティ対策に予算を投じることが「無駄遣い」ではなく「未来への投資」であるという認識を、しっかりと育てていく必要があるでしょう。