自治体が住民を提訴 カスハラ問題が示す行政現場の現実

カスハラは公共サービスの質を脅かす深刻な問題だと思っています。

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記事の説明

愛知県美浜町で、町役場の職員に対する度重なるカスタマーハラスメント(カスハラ)行為を理由に、町が町民である60代男性を提訴する方針を議会が全会一致で可決しました。自治体が住民を訴えるケースは非常に珍しく、全国的にも注目を集めています。

町によると、この男性は5〜6年前から、窓口や電話を通じて職員に対し暴言や侮辱的な発言を繰り返してきました。内容は、「職員同士が結婚するのは風紀上悪い」「男とは話したくない、女に代われ」など、個人攻撃や人格否定に及ぶものも多かったといいます。

背景には、土地の境界を巡る近隣トラブルや、耐震化補助金申請が認められなかったことへの不満があったとされていますが、町は「対応可能な範囲を超えた要求が続き、職員の精神的負担が大きかった」と説明しています。

議会は、男性に対し「行為の差し止め」と「職員の対応に要した時間の給与相当額400万円の損害賠償」を求めて提訴する議案を可決。しかし町長は「今後、男性がカスハラ行為をやめるなら訴訟に踏み切らない方針」としており、まずは改善を促す意向です。

町民からは「公務員だから何を言ってもいいという考え方はもう時代遅れ」「対等に尊重し合える関係が必要」といった声も上がっています。


高村の考え

今回の美浜町のケースは、自治体が長年抱えてきた構造的な課題が表に出た事例だと思います。
吹田市でも同様の問題意識があり、今年、私たちは「吹田市社会通念上相当な範囲を超えた言動による職員の被害の防止に関する条例」に修正を加えて議決し、施行されました。これは、職員を守り、健全な行政サービスの環境を守るために欠かせない仕組みです。

役所という場所は、一般企業とは違った“特殊な環境”があります。
かつて「公僕」と呼ばれていたように、市民から厳しい言葉を浴びせられることが当然だ、という古い価値観が未だに残っている場面もあります。
しかし、その言い方は適切ではありませんし、役所だからといって一方的に攻撃を受けて良いはずがありません。

住民対応の最前線にいるのは職員であり、感情をぶつけられ続ければ誰しも疲弊します。
行政サービスの質を保つためにも、職員を守るルールが必要ですし、それによって結果的に市民にとっても良い行政が提供できます。

また、これは「市民→職員」だけの問題ではありません。
職員同士のハラスメント、議員から職員へのパワハラ等こうした内部の問題も当然含まれます。
立場の違いにかかわらず、人を尊重し合う体制を整えなければ、健全な行政は成り立ちません。

吹田市としても、今回の美浜町の事例を他人事とせず、条例の実効性を高め、職員が安心して働ける環境づくりを進めていきたいと思います。

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