子どもたちが安心して学べる場所は、リアルだけじゃないのかもしれません。
記事の説明
夏休み明けは、不登校や登校渋りが増える時期とされ、子どもたちにとって特に心の負担が大きくなる時期でもあります。そうした状況に対応する新たな学びの場として、和歌山県紀南地域で注目されているのが、仮想空間を活用したオンライン教室「夢中カレッジ」です。この取り組みは、不登校専門の訪問看護ステーション「Hull(ハル)」と、オンライン教室を運営する「ワオフル」(東京都)が連携して進めています。
「夢中カレッジ」は、メタバース上に広がる仮想教室の中で、生徒がアバターを使って授業や活動に参加する新しいスタイルのフリースクールです。自分の分身としてのアバターを自由にカスタマイズし、教室では顔出しや音声の使用も自由に選べるなど、従来の学校とは異なる「居心地の良い学びの場」が提供されています。子どもたちは、チャットやリアクションボタンを使って自分の意見を伝えるなど、個々のペースや気持ちに寄り添ったコミュニケーションが可能です。
この教室では、SEL(ソーシャル・エモーショナル・ラーニング)と呼ばれる教育手法を採用しており、自分や他者を理解し、社会と関わる力を育むことに力を入れています。また、「ひとりブース」や学年を超えた「部活動」といった多様な関わり方が用意されている点も特徴で、教育に関心のある大学生がイベント企画に携わるなど、学びと社会の接点も意識されています。
現在、全国各地から約60人の小中学生がこの仮想教室に「通学」しており、希望すれば出席認定も得られる仕組みとなっています。出席認定は各校の校長判断によるものの、90%以上の認定実績があるということで、通信制高校や大学入試への道も見据えた学びが実現されています。
高村の考え
この取り組み、良いと思います。
不登校というデリケートで複雑な問題に対して、ここまで柔軟なアプローチがなされていることに、希望を感じました。
仮想空間の教室であっても、そこには「教室に入りたくない」という気持ちや、「誰かとつながりたい」という思いがきちんと存在し、それに応える設計がなされているのは非常に意義深いんじゃないでしょうか。
特に印象的だったのは、SEL(ソーシャル・エモーショナル・ラーニング)を通じて、単なる知識の伝達ではなく、「自分自身を知る」「他者とどう向き合うか」を学ぶ機会が提供されていることです。
これは、未来の社会を担う子どもたちにとって、極めて重要な力・要素だと思います。
学校に行く・行かないという表面的な判断ではなく、その子の状況に寄り添いながら、次の一歩を一緒に模索する環境が整っていることが、この取り組みの価値を高めています。
もちろん、このような取り組みが広がっていくには、教育委員会や校長先生の理解、地域社会の後押しが不可欠です。自治体としても、こうした取り組みに目を向け、「どのように地域に適用できるか」を模索する姿勢が求められます。
吹田市としても、今後の教育政策において仮想空間やオンラインの可能性を真剣に検討していくのもありでしょう。
不登校は決してマイナスな状態ではなく、「別のルートで学ぶ機会を選んでいる」ということ。
そんな考え方が広がれば、子どもたちも、保護者も、もっと楽になれるはずです。
今後、このモデルがどれだけ広がり、持続可能な形で根付いていくのかを、注視していきたいと思います。
