働き方改革、そしてデジタル化と行動変容、まさにこれからの自治体に求めらているのかもしれません。
記事の説明
栃木県足利市が新たに導入する窓口業務の開庁時間短縮と、証明書類のコンビニ交付手数料の大幅減額キャンペーンが注目を集めています。2025年8月4日から開始されるこの取り組みは、職員の働き方改革を背景に、市民サービスの利便性向上と業務効率化を両立させることを目的としています。具体的には、市役所本庁舎をはじめとする各施設の受付時間を午前9時から午後4時半に短縮し、勤務時間は現行のまま維持。職員一人あたりの年間残業時間を最大7時間削減し、残業手当を約1000万円減らす試算です。
さらに注目されるのは、マイナンバーカードを用いたコンビニでの証明書交付の手数料を一律10円に設定するキャンペーンです。通常よりも大幅に安いこの設定は、行政窓口の混雑緩和と市民の「行動変容」を促す狙いがあります。2025年4月末までの期間限定で実施され、年間約5万6000件の利用が見込まれており、歳入減は約1500万円と見積もられています。なお、こうした開庁時間短縮の動きは全国でも広がりを見せており、同様の施策が大津市やつくば市などでも行われています。
高村の考え
この足利市の取り組み、率直に言って非常に興味深いものです。
特に、証明書のコンビニ交付を「1通10円」にまで踏み込んだという決断には、大胆さと実務的な合理性が見て取れます。これほど思い切った料金設定でも、人件費と比較すれば十分にコスト削減が可能と踏んだのでしょう。
実際、窓口業務における職員の人件費や時間的負担は小さくなく、その軽減によるトータルコストの削減効果は無視できません。
また、こうした施策が単なるコスト削減にとどまらず、市民の行動に変化を促す「行動経済学的アプローチ」を用いている点も評価できるのではないでしょうか。10円という明確なインセンティブにより、従来対面での手続きに頼っていた市民の行動をデジタル化へと導くわけです。これは行政サービスのDXを進める上で非常に有効な施策であり、地方自治体が民間のマーケティング手法を応用している好例とも言えるでしょう。
一方、開庁時間の短縮に関しては、利用者の9割が既に新しい時間帯に収まっているというデータに基づいた決定という点で、非常に理にかなっていますが、一方でそこに当てはまらない利用者さんへのケアはどうなのか…、吹田市の場合はここまで思い切っては難しいのかな?
市民の利便性と職員の働き方の両立、そしてデジタル化の推進は、今後の地方行政において極めて重要なテーマです。持続可能な役所の姿はここにヒントがあるのかもしれませんね。
