地方創生の切り札・観光施策の“本当の課題”について、この記事から考えさせられますね。

記事の説明
公共入札・落札支援サービス「入札BPO」と地域創生Coデザイン研究所が、西日本を中心とする全国100の自治体を対象に行ったアンケート調査により、自治体の観光施策とデータ活用に関する課題が浮き彫りになりました。この調査では、観光施策の成功を感じている自治体は全体の3割未満にとどまり、最も成功した施策として挙がったのは「インバウンド観光客の獲得」で29%。続いて「SNSを含むPR戦略の改善」が19%でした。
一方で、今後活用したいデータとして最も需要が高かったのは「人流データ」で、全体の74%が関心を示しました。次いで「観光庁などのオープンデータ」(51%)、「消費データ」(48%)も多くの自治体に求められていることがわかります。
しかしながら、データを活用する際の最大の障壁として、「データの分析手法」が69%、「データを活用した施策の立案」が65%、「データを活用するための人材」が59%と、現場では専門的な知見と体制不足が深刻な課題として存在しています。これにより、自治体の観光戦略が理想通りに機能していない現状が浮かび上がりました。
高村の考え
この調査結果を見て真っ先に思うのは、やはり「行政の職員さんでは限界があるのかもしれない」という点です。
もちろん、自治体職員の方々は誠実に、そして地域への愛情を持って日々努力されています。
しかし、観光という分野はマーケティング、データ分析、消費者行動の理解など、専門的な知識と経験が求められる領域でもあります。
現代の観光施策は、従来のパンフレット配布や一過性のイベント企画だけでは成果が出にくく、常に変化する旅行者のニーズに応じて柔軟に戦略を変化させる必要があります。
これには、リアルタイムで人流データを分析したり、SNSでの反応を即座に反映させる能力が不可欠です。
その点で、民間企業でマーケティングやデジタル戦略を手掛けてきたスペシャリストをリーダーに据えるというのは、非常に有効なアプローチになってくると思います。
特にデータ活用の分野においては、BIツールの導入や統計解析ソフトの活用、あるいはAIによる予測分析といった手法が重要となりますが、これらは行政内部だけで完結できるものではありません。
民間と連携し、外部の知見を取り込むハイブリッド型の体制構築が求められているのです。
行政と民間、それぞれの強みを活かし、補完し合う形で進めることこそが、観光施策の成功への近道であるのだと私は思います。