これは、地方自治体の技術活用における好事例として注目したいと思います。

記事の説明
三重県桑名市では、AIを活用した水道管の漏水リスク評価により、漏水発見効率が劇的に向上しました。市は2023年6月から10月にかけて、人工衛星画像と気象データ、地形・地質、地盤変動、土地利用、管路の年数や修繕履歴など、複数の要因をAIに解析させ、漏水リスクを5段階で評価しました。評価の結果、リスクの高い地域が明確化され、市中心部の対象地域で漏水調査を実施。その結果、69件の漏水が確認され、1kmあたりの漏水発見効率は1.77件と、従来の0.11件に比べて16.1倍の成果を挙げました。
さらに、AIによる調査によって費用面でも効果がありました。従来、経験豊富な調査員による人海戦術で時間とコストがかかっていた漏水調査が、AIによる事前評価によって絞り込みが可能となり、効率的に実施できるように。昨年度の調査費用は漏水1件あたり約13万円と、過去5年の平均である15万円から10%以上の削減を実現しました。
市長の伊藤徳宇氏も、漏水対策が自治体にとって重要な課題であり、従来の広域調査ではなく、リスクの高い箇所を重点的に調査する方針への移行に期待を寄せています。このような取り組みは、老朽インフラに悩む他の自治体にとっても有効な手本となるでしょう。
高村の考え
この記事に出てくる取り組みは、確か天地人コンパスさんの「宇宙水道局(違っていたらすみません)」というプロジェクトの一環ではないかと記憶しています。民間主導で高度なリスク解析を行うこの仕組みは、まさにテクノロジーと自治体運営の理想的な融合だと思います。
ただ、残念ながら、以前下水道部だったか水道部だったか話をしたときに、吹田市ではあまりこの手法には関心がなかったようです。
しかしながら、このように経験や勘に頼る従来の方法から脱却し、データドリブンな意思決定を行う姿勢は、これからの自治体運営にとって不可欠だと感じています。
漏水対策一つとっても、AIを導入することで効率だけでなく、コストも確実に削減できるというエビデンスが示されているのですから、導入しない理由が見つからないとおもうんですが…。
特に、地震が多く、インフラの老朽化が進む日本では、地盤や気象データを解析に取り込めるこのようなAIツールは、まさに時代の要請です。
吹田市でも、こうした取り組みを他人事とせずに、先進的な都市経営を目指して導入を検討すべきでしょう。
行政サービスの質を維持しつつ財政負担を抑えるという意味でも、AIの活用は最も現実的なソリューションの一つではないかと思います。