制服は学生時代の象徴でもあり、家計を圧迫する現実でもあります。今その役割と費用を見直す時が来ているのかもしれません。
:quality(50)/cloudfront-ap-northeast-1.images.arcpublishing.com/sankei/GTEFRY3UT5OH7PG26YJEDEGUC4.jpg)
記事の説明
公立中学校の制服無償化を実施する自治体が全国的に増えている。北海道北斗市、奈良県香芝市、熊本県御船町、東京都品川区などが次々と制度導入を進めており、背景には制服代が平均5万円以上という家計への負担がある。
「隠れ教育費」とも称される制服代は、義務教育の無償の理念と矛盾し、多くの家庭で深刻な課題となっている。
NGO「セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン」のアンケート調査では、中学1年生の制服代が平均5万6331円、高校1年生では7万615円と高額であり、困窮世帯では子どもの56.8%が入学に際して「悩みがあった」と回答。
その中で制服購入を「大変」と感じている子ども・保護者が約8割に達している。
具体的な取り組みでは、北斗市が全額無償で制服を支給するほか、香芝市では中学校で最大4万円、小学校で最大2万円まで補助。
品川区では予算約1億円を投じて無償化に踏み切り、その他にも熊本県南小国町や御船町などが続く。
これらの取り組みは、子育て支援・教育格差是正の観点から高く評価される一方、「制服自体が本当に必要なのか」との根本的議論も浮上している。
名古屋大学大学院の内田良教授は、「制服は持続可能性に欠け、そもそもその必要性について再考すべきだ」と指摘。教育現場での合理性と社会的な期待とのバランスが今、問われている。
高村の考え
制服が持つ役割について改めて考えてみたいと思います。
制服には、学校生活における「規律の象徴」としての機能があり、また経済的格差を見えにくくする効果や、毎朝の服装選びに迷わず済む合理性もあるのだろうと思います。
社会的な一体感や帰属意識の醸成など、学校生活の秩序と文化に寄与してきたことも事実でしょう。
一方で、数万円となる初期費用が「隠れ教育費」として家計を圧迫している現実は看過できません。
義務教育の範囲内である以上、本来であれば無償であるべきとの主張にも確かに一理あります。
特に昨今は、家庭の経済状況が多様化し、子育てにかかる総費用の中でも制服費のウェイトは無視できませんね。
しかし、私自身は「制服は必要か」という問いに対して、やや慎重な姿勢をとっています。
やはり私服化が進むと、逆に見えにくかった経済格差が服装によって露呈してしまい、新たな分断やいじめの温床にもなりかねないと思うのです。(この場合、その家庭内の状況、例えばDVなどの発見につながる事もあるかもしれませんが…。)
制服の費用については公費で支援する事も考えられますが、まずはリユース制度の整備、地域内での制服循環システムの導入など、持続可能で公平性のある支援策を模索すべきだと思います。
民間企業やNPOとの連携による制服リサイクル事業なども、行政コストを抑えつつ効果的な支援となるのかもしれません。
最終的には、「制服を維持する社会的意義」と「公共資金の適切な使い方」をバランスよく考えながら、市民との対話を重ねて制度設計を進めていくべきなのかなと思います。(あまり答えになっていない…笑)