公立校のバリアフリー化に自治体間格差が生む影響

災害時の避難所でもある学校だからこそ、整備が急がれます。

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記事の説明

文部科学省が実施した最新の調査によると、全国の公立小中学校における多機能トイレの整備率は、2024年9月時点で74.3%にとどまっていることが判明しました。
これは前回調査から3.9ポイントの増加ではあるものの、2025年度末までに避難所指定されている全学校に整備を完了させるという国の目標には届かない水準です。
今後整備予定の学校を加味しても、達成見込みは77.1%にとどまり、整備の進捗に地域差が見られることが示唆されています。

この背景には、2021年4月に施行された改正バリアフリー法があり、公立小中学校を含む特別特定建築物へのバリアフリー対応が義務化されました。
法改正後、国は補助制度を拡充し、改修工事に対する補助率を2分の1に引き上げるなど、整備促進のための措置を講じてきました。

調査では、多機能トイレ以外のバリアフリー設備についても整備状況が報告されています。
例えば、校門から校舎までのスロープ整備率は84.7%校舎玄関から教室までのスロープは65.2%エレベーターの整備率は31.2%体育館の多機能トイレは47.9%と、いずれもまだ改善の余地がある状況です。

文部科学省は今後も自治体に対してバリアフリー整備の推進を呼びかけていく方針ですが、国の目標とのギャップを埋めるためには、より一層の取組が求められています。

高村の考え

この調査結果を見て感じるのは、整備の「進捗」よりも「偏り」の問題かなと思います。
多機能トイレの整備率が74.3%まで向上したとはいえ、全国一律で整備が進んでいるわけではなく、自治体ごとに温度差があります。
特に、財政的に厳しい自治体では、国の補助が2分の1に引き上げられたとしても、残りの負担分を確保するのが難しいという現実があるのではないでしょうか。

バリアフリー化は、教育の平等性を担保する上でも非常に重要な施策です。
障害のある子どもたちや高齢の保護者、教職員にとって、多機能トイレやスロープ、エレベーターといった設備は「あると助かる」ものではなく、「なければならない」インフラと考えられます。
避難所として指定されている学校に至っては、災害時におけるすべての住民の安全を守る最前線になるわけですから、整備の遅れは単なる学校の問題だけではないと思います。

このような重要性を考えれば、整備が進んでいない自治体への追加的な財政支援は不可欠です。
一律に補助率を決めるのではなく、地域の財政状況や整備の進捗度に応じて、より柔軟かつ重点的に支援する制度設計が必要だと思います。

ちなみに令和6年9月の時点で吹田市は、54校中、

  • バリアフリートイレ 54校(100%)
  • スロープ等による段差解消 [門から建物まで] 54校(100%)
  • 同じく[昇降口・玄関等から教室まで] 39校(72.2%) ※令和7年度までに 47校(87%) 予定
  • エレベーター 15校(27.8%) ※令和7年度までに 21校(38.9%) 予定

吹田市でも、私自身が行政の改革を進める中で、こうしたバリアフリー対応に関しては市民のニーズに耳を傾けながら、合理的かつスピーディに対応できる体制づくりを目指していかなくてはいけないと思っております。
官と民が連携し、知見や技術、資源をシェアすることで、限られた財源の中でも最大限の成果を生むことができると確信しています。

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