令和7年度(2025年度)の一般会計予算において、情報システム運用事業に関する3つの重要な施策が計画されています。
本記事では、それぞれの事業の背景や目的、予算額、今後の予定について解説します。
これらの施策は、議会で可決されれば、吹田市の行政サービスのDXをほんの少し加速させることが期待できるかも?です。
1. 吹田市情報通信基盤網の再構築
事業の概要
現在、吹田市の情報通信基盤網(本庁舎や各出先機関を結ぶネットワーク)は、住民情報系システムや行政情報系システムを稼働させるための重要なインフラです。しかし、現行の通信網の保守期限が令和8年(2026年)2月末に到来するため、再構築を実施する必要があります。
今回の再構築では、災害対策を重視し、可用性(システムの安定稼働性)の向上を目指すことがポイントです。
予算とスケジュール
- 予算額(債務負担行為)
- 情報通信基盤網の再構築業務:6,974万7,000円
- 移行支援業務:1,671万9,000円
- スケジュール
- 令和6年(2024年)8月:情報提供依頼(RFI)の実施
- 令和7年(2025年)6月~8月:調達
- 令和7年(2025年)9月~令和9年(2027年)3月:新情報通信基盤網の構築及び移行作業
- 令和9年(2027年)4月:新情報通信基盤網の運用開始。
2. 仮想化基盤の再構築
事業の概要
吹田市では、多くの業務システムが「仮想化基盤・インターネット関連システム」上で運用されています。しかし、現在の仮想化基盤は令和8年(2026年)3月末で保守期限が到来するため、再構築を実施する計画です。
今回の再構築では、クラウドサービスを活用し、サーバ管理を専門事業者に集約することで、セキュリティと利便性を向上させることを目的としています。
予算とスケジュール
- 予算額
- 歳出予算:1万2,000円(プロポーザル実施に伴う意見聴取謝礼)
- 債務負担行為
- 仮想化基盤再構築業務:2億6,983万2,000円
- 移行支援業務:1,100万円
- スケジュール
- 令和6年(2024年)8月:情報提供依頼(RFI)の実施
- 令和7年(2025年)6月~8月:調達
- 令和7年(2025年)9月~令和9年(2027年)3月:新仮想化基盤の構築及び移行作業
- 令和9年(2027年)4月:新仮想化基盤の運用開始。
3. ローコードツール実証実験の延長
事業の概要
吹田市では、令和4年度(2022年度)より、**プログラミングの知識がなくても簡単にアプリケーションを作成できる「ローコードツール」**を導入し、業務改善の可能性を検証してきました。
令和7年度(2025年度)では、これまでの実証実験の結果を全庁に共有し、更に活用可能な業務領域を探るため、実証実験の範囲を拡大し、期間を延長する方針です。
予算とスケジュール
- 予算額
- 歳出予算:1,542万3,000円(ライセンス等の使用料)
- スケジュール
- 令和5年(2023年)3月:情報政策室(現デジタル政策室)を含む一部室課で試験運用開始
- 令和7年(2025年)4月:全庁配布分のライセンス契約手続
- 令和7年(2025年)6月:対象室課を全庁に拡大し、実証実験を開始
- 令和7年(2025年)9月:実証実験の効果確認・本導入に向けた事業計画策定。
まとめ
今回の吹田市の情報システム運用事業の3つの施策は、DXを推進し、行政の効率化やセキュリティ向上を図るものです。
- 情報通信基盤網の再構築
→ 老朽化したネットワークを更新し、可用性を向上 - 仮想化基盤の再構築
→ クラウド活用により、サーバ管理の最適化とセキュリティ向上 - ローコードツール実証実験の延長
→ ノーコード・ローコードの活用により、市職員の業務改善を促進
これらの施策は、現在審議中のため、今後の議決によって実施が決定される見込みです。可決された場合、吹田市のデジタル化がさらに進み、市民サービスの向上が期待されます。