行政視察2日目:浜松市に学ぶ「ゾーン30プラス」の整備と生活道路の安全対策

吹田市議会建設環境常任委員会の視察2日目は、静岡県浜松市を訪問し、「ゾーン30プラスの整備と課題」について学んでまいりました。
浜松市が直面している交通課題と、それを解決するための具体的な取り組み、そしてその成果についてざっくりご報告します。

1. 浜松市の現状と交通課題
浜松市は面積が全国第2位という広大な市域を持つ政令指定都市です。
政令指定都市の中で1世帯あたりの自動車保有台数が最も多く(1世帯あたり約2台)、自動車への依存度が非常に高いという特徴があります。

交通事故への対策として、「ワースト1脱出作戦」を実施し、人口10万人当たりの人身交通事故件数は約4割減少したものの、依然としてワースト1の状況が続いています。
特に深刻なのが生活道路での事故です。
令和7年には、記録が残る平成21年以降初めて「出会い頭事故」の件数が「追突事故」を上回り、大きな課題となっています。
また、これらの事故の多くが朝夕の通勤・通学時間帯に集中していることも分かっています。

2. ゾーン30プラス整備の推進と合意形成
このような出会い頭事故の下げ止まりを受け、浜松市は「ゾーン30プラス」の整備を積極的に進めておられます。
対象となるのは、既存のゾーン30エリア(令和8年3月末時点で37地区)のうち、事故が多く小学校がある箇所や、地域からの要望があったエリアです。

整備にあたっては、地域住民や警察との合意形成を非常に丁寧に行っておられます。
交通状況の分析から始まり、整備計画のたたき台作成、地元からの意見聴取、警察との協議、整備計画検討会を経て工事を実施するまでに、約1年という時間をかけて取り組まれています。長いですね💦

3. 物理的デバイスの設置と整備効果
ゾーン30プラスでは、車の速度を物理的に抑えるために「ハンプ(凸部)」や「スムーズ横断歩道」などが設置されています。
1ハンプあたりの整備費用は約200万円(看板の設置や周知等を含む)とのことです。

効果は数字にも表れており、ハンプやスムーズ横断歩道の設置前後で車両の走行速度を検証した結果、最大速度が6.0〜19.9km/h、平均速度が3.3〜9.9km/h低下するという確かな効果が確認されています。
また、人対車両の交通事故件数が減少している地区も出てきているようです。

4. 住民の反応と今後の展開
物理的な段差を設けることによる騒音や車への損傷が懸念されがちですが、実際には「騒音等は特に発生していない」「車への損傷もない」とのことでした。
むしろ、現地確認会では「車両の通過速度の低下を感じる」といった声が聞かれ、取り組みが浸透するにつれて地元住民から「ウチの地域でもやってほしい」という要望も聞こえるようになっているそうです。

浜松市は今後、既存のゾーン30エリアの「すべてプラス化」を目指し、年間8地区の整備完了を目標に歩行者の重傷事故防止に努めていくとのことです。

視察を終えて
地域住民や警察と1年がかりで丁寧な合意形成を図りながら、物理的なデバイスによる確実な安全対策(ゾーン30プラス)を進める浜松市の姿勢は、本市にとっても大いに参考になるものでした。
吹田市は人口密度が高く、道路の狭いところが多くあり、車と人の距離が近い状態です。
生活道路や通学路における「出会い頭事故」を防ぐための実践的なハード対策として、吹田市の交通安全対策にもこの学びを活かしていきたいと考えます。

ちなみに私からは「このようなハンプは設置後は注意がいくが、慣れてくると徐々に戻っていく事も考えられる。今後5年後10年後の対策等でお考のことがあれば教えてください」と質問しましたが、今後の課題であるとの事。
まだまだ、課題もありますが成果を上げている事に拍手ですね(^^)

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