堺市職員が生み出したデジタル改革

デジタル化が進む中で、地方行政がどのように進化するのか、注目の事例です。

記事の説明

堺市上下水道局の郷田秀章さんが、知識ゼロの状態から開発した「すいりん」というアプリは、現在全国70以上の自治体で利用されており、合計100万人以上のユーザーがいる画期的なサービスです。
このアプリは水道料金の支払いをスマートフォンで手軽に行える機能を備え、利便性の向上と大幅なコスト削減を実現しました。

郷田さんがアプリ開発に着手したきっかけは、水道料金履歴を閲覧できるアプリの提案を受けたことでした。
しかし、それだけでは利用者が増えないと考え、キャッシュレス化の流れに対応した支払い機能を追加するよう要望を出し、事業者と試行錯誤を重ねながら完成に至りました。

2021年2月にリリースされたこのアプリは、コロナ禍やデジタル化推進の追い風もあり、堺市で契約者の17%にあたる利用者を獲得。堺市だけで年間約2500万円のコスト削減を達成しました。また、郵便料金の値上がりに伴い今後さらに効果が期待されています。

郷田さんの活動は水道行政にとどまらず、能登半島地震被災地へのボランティア活動や「マンホーラー」としての趣味など多岐にわたります。これらの行動力は、人口減少や収益減少という課題を見据えた上下水道行政への熱意の表れといえます。今年の「地方公務員アワード2024」を受賞した郷田さんの取り組みは、地方行政のデジタル改革を象徴する成功事例として注目されています。

目次

アプリ「すいりん」とは?その仕組みと意義

「すいりん」は、堺市上下水道局の郷田秀章さんによって開発されたスマートフォン用アプリで、水道料金の支払いを簡単かつ迅速に行えるように設計されています。このアプリは2021年2月にリリースされ、堺市での成功をきっかけに全国70以上の自治体へと広がり、現在では100万人以上の利用者を誇るまでになりました。

主な特徴

  1. 24時間365日利用可能
    「すいりん」は、利用者がいつでもどこでも水道料金をスマートフォンから支払えるように設計されています。これにより、コンビニエンスストアや金融機関に行く必要がなくなり、時間と手間が大幅に削減されました。
  2. キャッシュレス決済に対応
    アプリはキャッシュレス決済の普及を目的として、QRコードを活用した支払い機能を搭載しています。多様な支払い方法に対応しており、現代のキャッシュレス社会に適合した仕組みが整っています。
  3. コスト削減
    従来の請求書郵送にかかる紙代、印刷費、郵便料金が不要となり、堺市では年間約2500万円の経費削減を実現しました。この数字は、郵便料金の値上がりにより今後さらに増加する見込みです。
  4. 利用者の増加と全国展開
    利便性とコスト削減の効果が注目され、堺市の成功事例をもとに東京都や福岡市などの多くの自治体が「すいりん」を導入しています。それぞれの地域で名称を変更し、地域に適した形で運用されています。
  5. 住民と職員の負担軽減
    アプリは住民の利便性を向上させるだけでなく、電話対応やデータ入力などの事務作業を大幅に削減しました。これにより、職員の負担軽減にも貢献しています。

開発の背景

「すいりん」は、郷田さんが水道料金の履歴を閲覧できるアプリの提案を受けたことをきっかけに、知識ゼロの状態から1年間をかけて開発されました。スマートフォンごとに異なる画面サイズへの対応やQRコード表示の最適化など、数々の技術的な課題を事業者と協力して乗り越えました。

リリース当時は新型コロナウイルスの感染拡大が続く中で、非接触型サービスへの需要が高まっていたことも追い風となりました。このタイミングを逃さず、利用者のニーズに応えたことが成功の鍵となっています。

「すいりん」の意義

「すいりん」は、単なる料金支払いツールを超えて、地方行政におけるデジタル化の象徴となっています。住民サービスの向上と行政コストの削減を両立するこのアプリは、堺市だけでなく日本全国の自治体にとってのモデルケースとなり得ます。特に、人口減少や人手不足といった課題を抱える中で、こうしたデジタルツールの活用が今後さらに重要になるでしょう。

郷田さんが示した改革マインドと実行力は、地方行政の未来を照らす重要な一歩です。「すいりん」が広がることで、住民と自治体が共に恩恵を享受できる新しい時代が到来しています。


高村の考え

高村の考え

郷田秀章さんの改革マインドには心から敬意を表します。普段の業務から問題意識を見出し、知識が乏しい中でも具体的なアクションを起こしたことは、非常に意義深いです。特に、「すいりん」の開発がもたらした成果は、単なるコスト削減や利便性向上にとどまらず、全国の自治体への波及効果を生んでいる点で、持続可能な行政運営の模範といえます。

さらに郷田さんの活動は、個人の枠を超えた社会的な視点を持っていることも印象的です。被災地でのボランティア活動や、趣味であるマンホールカードの収集を通じて上下水道行政の魅力を発信する姿勢には、彼の仕事への愛着と地域社会への貢献心が伺えます。

この事例は、行政職員が自らの仕事を単なるルーティーンで終わらせず、問題解決のために行動を起こす重要性を教えてくれています。
日本全国で似たような取り組みが広がることで、より効率的で住民に優しい行政サービスが実現できるのpではないでしょうか。

この記事について、あなたはどう思いましたか?
  • 普通 (0)
  • なんとも思わない (0)
  • まだまだだね (0)
  • 全然ダメだね (0)
  • オモロイやん (0)
  • 勉強不足 (0)
  • 興味なし (0)
  • この記事もっと掘り下げて欲しい (0)
  • まぁまぁ頑張ってるね (0)
  • 同じこと思っててん (0)
  • ワロタ (0)
  • 笑いも起きない記事だわ (0)
  • 共感する (0)
  • がんばれ (0)
  • よくわからん (0)
  • 難しいね (0)
  • え~事言うなぁ (0)
  • 頑張ってるね! (0)

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

是非シェアしください♪
  • URLをコピーしました!
目次