令和6年9月定例会 個人質問 [1.学校施設・教育現場の諸課題について]

目次

1. 学校施設・教育現場の諸課題について

小中一貫教育

高村まさとし

現在、市内の全ての中学校ブロックで、小中一貫教育が進んでいる状況にあり、これは、平成23年に開校・開設された千里みらい夢学園が、リーディングスクールとしての役割を果たしているものと理解しています。

学習面における具体的な成果、生徒の社会性、教員の指導力や連携等について、これまでに得られた具体的なデータや、評価結果などについてお聞かせ願います。

また、現在までに明らかになった課題や、今後の改善に向けた具体的な対策について、計画やお考えがあればお聞かせ願います。

担当部長

教育監
本市における小中一貫教育につきましては、リーディング校の取組を受け、市内全中学校ブロックにおきまして、目指す子供像を設定し、授業改善に向けた小中合同の授業研究や不登校支援の連携等の取組を進めてまいりました。

成果といたしましては、学校へ行くのが楽しいと感じる児童・生徒の割合が増加していることや、全国学力・学習状況調査における教科別正答率におきましても、教育課程特例校として小学校1年から取組を進めている英語を筆頭に全国平均値と比べて、上方で推移していることが挙げられます。

一方で、課題といたしましては、中学校1年生での不登校生徒の増加など、全国値と同様高い傾向がありますので、今後も児童・生徒が安心して学校に登校できるよう、各ブロックでの課題を整理しながら魅力ある学校づくりや分かりやすい授業の工夫などの取組を進めてまいります。

大規模校の対策

高村まさとし

現在、市内の過大規模校となっている学校や、準過大規模校と位置づけられる学校も、複数存在していますが、これらの学校に対して、通学区域の見直し、分校の設置や施設整備など、具体的な計画等はありますでしょうか?

もし、現時点で具体的な計画がない場合、その理由についてお聞かせください。

また、今後の検討課題や、計画が白紙である場合における改善策の方向性についても、併せてお聞かせ願います。

担当部長

学校教育部長
学校規模適正化につきましては、吹田市学校規模適正化基本方針に基づき、課題解決を図るべき範囲として、31学級以上の過大規模校と6学級以下の過小規模校を対象校と位置づけております。

教育委員会におきましては、1校ずつ実施計画を策定した上で、丁寧に課題解決を図っていくべきだと考え、過大規模校になる見込みであった藤白台小学校の適正化に取り組んだのち、現在、過小規模校である山田第五小学校の取組を進めているところでございます。

現時点では次期の計画はありませんが、今後も引き続き児童・生徒数推計や住宅開発の状況などを注視し、その必要性については総合的に判断してまいります。

小規模校の対策

高村まさとし

子どもの社会性や多様な学びの機会など、教育環境の質を保ちながら、学校施設の運営を最適化するためには、大規模校だけでなく、小規模校についても考えなくてはなりません。

特にJR以南地域では児童・生徒数が少なく、将来的には地域の特性を踏まえた、学校の統廃合が避けられない状況が、訪れる可能性があります。

現在、吹田市全体、およびJR以南地域における、小規模校の統廃合に関して、教育委員会としてどのような計画や方針をお持ちでしょうか?

また、具体的な計画がまだない場合、その理由についてもお聞かせください。

担当部長

学校教育部長
吹田市学校規模適正化基本方針に基づき、6学級以下の過小規模校は適正化の対象校としております。

課題解決の方策としましては、まずは通学区域の見直しを検討することとし、通学区域の見直しでは課題解決が困難な場合において、学校の統合や学校選択制の導入等を検討することとしております。

現在の状況としましては、先ほど御答弁させていただいたとおり、山田第五小学校の適正化に取り組んでおり、次期の計画はございませんが、児童・生徒数推計や住宅開発の状況など総合的に勘案し、その必要性を判断してまいります。

高村まさとし

こちらも次期の計画はないとの事で、「山五小の適正化に取り組んでいるから」という理由ですが、確かに山五小の事を丁寧に進めていくその姿勢は、大事なんですが、教育未来創生室さんがそちらに全振りして、これから問題となる大規模・小規模の学校の今後の計画が進んでいないというのは、いかがなものかと思います。

このあたりについて、今一度整理していただきたく思います。

学校施設の老朽化対策と修繕計画

高村まさとし

現在、本市では学校施設の老朽化に伴い、平成28年度から令和7年度の約10年にわたって計画的に大規模修繕を進めておられますが、次の改修のサイクルが来る頃には、建て替えなども、検討していかなくてはいけない学校があるかと思います。
 
本市では、鉄筋コンクリート造および、重量鉄骨造の建物について、耐用年数を築後60年、長寿命化する場合は80年としていますが、例えば吹一小では、最も古い建物が昭和5年度に建設され、すでに94年が経過しています。

このように、老朽化が進む市内の学校施設について、建て替えや修繕の優先順位をどのように決定しているのか、具体的な基準をお聞かせください。

また、今後の計画も併せてご説明いただければと思います。

担当部長

学校教育部長
学校施設につきましては、学校からの依頼や保守点検の結果、修繕履歴等を基に、劣化状況や緊急度に応じて、優先度の高いものから改修工事等を行い、維持管理を行っております。

学校施設の建て替えにつきましては、具体的な計画はございませんが、いずれ建て替えが必要となる時期を迎えるため、吹田市公共施設(一般建築物)個別施設計画に基づき、令和23年度から建て替えが進められるよう、優先順位も含めて検討していく必要があると考えております。

高村まさとし

こちらも、具体的な計画はないということです。

検討していく必要があるという認識はお持ちのようですが、令和23年度という事は、だいたい17年後くらいからです。

本庁舎の建て替え時期と重なってくるかもしれないので、その際は財政面や、ほかにも影響が色々と出てくるでしょうから、余裕をもって計画策定に向けて動いていただきたいと思います。

学校運営費

高村まさとし

JR以南の小・中学校では、児童・生徒数の減少は今に始まった事ではなく、令和3年度の「吹田市公共施設(一般建築物)個別施設計画」で示されておりますが、吹一小、吹六小、東小の事業運営費のコスト評価が[1]と非常に低く、三中と五中でもコスト評価が[1]となっており、同様の問題が見受けられます。

吹一小に関しては、維持管理費のコストも[1]となっております。

この児童・生徒の減少傾向と、低い財務コストの評価、これらの問題について、どのように捉えているのでしょうか?

また、教育委員会として、対策や施策など実施してきた事、今後計画等考えていることがあればお教え願います。

担当部長

学校教育部長
学校にかかるコストを学校別で比較いたしますと、児童・生徒数が少ない学校においては一人当たりのコストが高くなる傾向にあることは認識をしておりますが、学校施設の在り方はコスト面だけでなく、子供たちにとって教育環境の観点も含め、総合的に判断をする必要があると考えております。

いずれ現実化する学校の建て替えなどの機会を捉えて、効率的な施設管理の視点も含め、本市における学校施設の在り方を検討していく必要があると考えております。

小中一貫校

高村まさとし

子どもの数が少ない小規模校や、財務評価の低いとされている学校の現状、施設の老朽化など将来的な課題を踏まえ、教育環境を改善し、効率的な運営を目指すため、学びの環境や施設を集約するなど、吹田市で初となる、施設一体型の小中一貫校の計画を検討されてはいかがでしょうか。

吹田市における小中一貫校設置にあたって、考え得るメリット・デメリットや影響についてお答え願います。

担当部長

教育監
施設一体型小中一貫校の設置につきまして、メリットといたしましては、小学校・中学校の合わせて9学年が共に過ごすことから、9年間を通したカリキュラム編成による指導の一貫性をはじめとして、小・中学校教員の協働、異文化交流による社会性の育成、円滑な進学・進級の促進などが挙げられます。

一方、デメリットといたしましては、例えば二小一中を一つの学校にした場合、校区の拡大により学校の位置によっては通学に要する時間が増加することが挙げられます。

高村まさとし

どのような条件が整うと、こういった小中一貫校の設置について、前向きに検討されるのか、具体的にお聞かせ願います。

担当部長

教育監
児童・生徒数の減少が進む自治体におきましては、全国的に見ても小中一貫校は増加の傾向にあります。

先程御答弁いたしましたとおり、教育活動におきましては設置に伴うメリットも多くあることから、今後、校舎の建て替え時期等に注視しながら、課題解消あるいは教育の質の向上策の一つとして検討してまいります。

高村まさとし

例えば、仮にですが、吹三中学校でこれを実現する場合は、その三中のグラウンドで現地建て替えし、その間またその後もグラウンドについては、広大なグラウンドを有する中の島公園を活用することも考えられます。

また、通学に要する時間は長くなる場合もあれば近くなる場合もあり、集約化で浮いた運営費の一部で、低学年用に通学バスを走らせたりする事も可能となります。

他市でもこういった枠にとらわれない自由な発想のもと、施設一体型の小中一貫校設置の動きが増えてきているので、是非とも参考にしながら検討いただきますようお願いしておきます。

プール施設の経費と水泳授業数

高村まさとし

昨今の異常気象による、極端な気温上昇が原因で、学校における水泳授業が、中止されるケースが増えています。

もともと天候に左右されやすく、年間の水泳授業数が過去と比べて減っている学校が多いと聞いておりますが、このような状況で、高額な維持管理費や修繕費、設備費などを今後も負担し、維持していく事について、問題意識を持つ必要があると考えます。

そこで、まずは小学校と中学校それぞれにおける、プール施設にかかる年間経費についてお聞かせください。

また、1学級あたりの年間水泳授業数についても、把握されている範囲で結構ですのでお答えいただければと思います。

担当部長

校教育部長
学校のプールにかかる経費につきましては、令和5年度決算見込額で1校当たりの平均で、小学校は約170万円、中学校は約240万円でございます。

担当部長

教育監
1学級当たりの年間水泳授業時数につきましては、各校において実施期間が様々であることから、学校別の正確な授業時数は把握しておりませんが、気象状況等に左右されることから、小・中学校共に週当たり3時間で約8週間での計画の中で、年間15時間程度を目安に水泳の授業を実施しております。

プール施設のコスパの評価

高村まさとし

ご回答いただいた経費に加え、経年劣化に伴う修繕費用の増加も予想されます。

特に小規模校では、プール施設の稼働時間(総水泳授業数)が少ないため、校舎とは別にプール施設のコストを個別に評価し、課題や問題点について協議することが必要ではないかと考えます。

この点に関して、取り組んでいる事や検討されている事など、教育委員会としてのお考えをお聞か願います。

担当部長

学校教育部長
小・中学校におけるプールにつきましても、校舎や体育館と同様に老朽化が進んでおり、今後、大規模な改修が必要になり経費が増加するなど、夏季の利用に限られるプールの維持管理に関する課題については認識をしておりますが、課題解消に対する具体的な検討には至っておりません。

学校の建て替え時の機会には効率的な施設管理の視点も含めた上で、様々な先進事例を参考にしながら、学校プールの在り方を検討していく必要があると考えております。

学校外のプール施設の利用

高村まさとし

以前にも質問させていただきましたが、児童・生徒数が少ない学校において、例えば勤労者会館のような近隣の公共プール施設を利用することで、自校でプール施設を運営しなくても水泳授業を実施できる場合があります。

近隣に公共のプール施設のある学校で、試験的に、自校でプール施設を使用せず、外部施設を活用する形を導入してみてはいかがでしょうか。

これにより、天候や季節に左右されることなく、夏季に集中せず、無理なく通年で水泳授業を行うことで継続性が生まれ、子どもたちの泳力向上にも寄与するものと思います。

さらに、経費面でも継続可能な選択肢となるのではないでしょうか。
教育委員会としてのお考えをお聞かせください。

担当部長

教育監
公共のプールなどの外部施設を利用した水泳学習につきましては、教員による学校のプール管理業務の削減や通年で水泳学習を実施できるというメリットがあるものの、外部施設の場所にかかわらず施設への移動を伴うことは、授業時間の確保や季節・天候による児童・生徒の体調への影響を懸念するところです。

児童・生徒の学習保障・健康及び安全管理の観点から、外部施設の利用につきましては、困難であると認識しておりますが、今後、外部施設の利用の取組が進んでいる近隣市町の状況も注視してまいります。

高村まさとし

自校でプール施設を使わない選択肢、または自校でプール施設を運営するにしても、民間に開放したり、オールシーズンで全天候可能とする室内型にして、稼働時間を延ばすなど、方法はいろいろあるでしょうから、たくさんの選択肢から、合理的で効果的な方法をとれるように、是非とも今後も先進事例を注視していただきたいと思います。

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