令和4年(2022年)11月定例会 個人質問
1.教育行政について / 2.高齢者のデジタル推進について / 3.サイバー攻撃について /
以下、議会で質問した内容と、答弁いただいた内容を記しております。
「高齢者はデジタル系の新しい取り組みが嫌い」というのは、ある意味誤解であると私は考えており、新しい取り組みの”きっかけ”と、そこに好奇心を高めるコンテンツがあれば、それがデジタルのものであっても高齢者にもスムーズに受け入れてもらえると私は考えております。
一人でも多くの市民がICTによる利便性を実感していただけるよう、高齢者のデジタルデバイドをデジタルシニアとなるよう、積極的にサポートし、「高齢者の社会参加にデジタルコンテンツの活用は有効である」と、前向きに捉えて進めていく必要があると考えます。
ネットワークを通してつながる先として、10年近く前から仮想空間上で社会生活を体験できるメタバース(仮想空間・仮想世界なるもの)がありましたが、近年容量が大きいデータを高速で通信可能とする5Gの普及や、端末の処理能力が劇的に上がったことで、再び注目されており、現在の高齢社会においても、身体機能の低下や感染症対策などで、対面での社会活動が厳しい状況でも、地域社会とのつながりを保ち、高齢者の孤立化対策にもつながる技術として大きく期待が寄せられております。
よく一緒にされがちな仮想現実のVRも、高齢者にも有効であると言われており、こちらは仮想的に体験できるもので、VRの視聴によって高齢者の興味・関心が刺激され、フレイル予防や認知症予防に役立つことが期待されております。
世界に目を向けると、高齢者の施設にVR機器を提供し、施設利用者が没入型のバーチャルエンターテインメントや、旅行体験を楽しめるサービスを提供する企業もあり、例えばHMDを使って旅行や、観光地を歩く・走るだけではなく、実際に屋内で自転車をこいで仮想空間の中を疾走する、またはハンドルをもってVRの世界で観光名所をドライブするといった体験も可能とするわけです。
さて長くなりましたが、ここまで事実であっても、夢のようで、仮想的に聞こえるような話をしましたが、まずは現実の足下に目を向けて、以下確認いたします。
高齢者デジタルデバイド解消とリテラシー向上について
Q
総務省 情報流通 行政局による、令和4年度デジタル活用支援 推進事業の実施状況では、
「救急情報の取得、防犯情報の取得等の利用ニーズが高い」といった結果が出ておりますが、
本市における高齢者に対する、デジタルデバイド解消やリテラシーの向上に向けた取り組み状況をお教え願います。
福祉部長 ご答弁
高齢者のデジタルデバイド対策につきましては、介護予防事業及び地域包括支援センターの業務において、スマートフォンによる電子申込みシステムや吹田市公式のLINEの使い方、QRコードの読み込み等の支援を行っております。また、高齢者生きがい活動センター等において、生きがいづくりのために実施しているスマートフォン講座についてもデジタルデバイド対策につながっているものと考えております。
このほかにも、パソコンやスマートフォンを使用して参加する脳いきいき教室、オンラインで地域内の複数会場をつなぐサテライト方式での講演会の開催などを通じて、ICTリテラシーの向上に努めているところでございます。
Q
デジタル機器に触れる機会の少ない高齢者ですと、詐欺やフェイクニュースなど情報の判別や取捨選択の判断も難しい事があると思いますが、犯罪が起こりうるリスク・巻き込まれるリスク・詐欺にあうリスク等について啓発等は行えているのでしょうか?
福祉部長 ご答弁
現在、高齢者に対する特殊詐欺被害の防止啓発につきましては、市報や市ホームページ、SNSによる詐欺の手口等に関する情報発信、また、高齢者と接する機会の多い介護サービスの事業所や、民生・児童委員協議会、公共施設へのチラシ配付などの取組を行っております。
今後も、介護予防講演会やひろばで体操、ふれあい昼食会などの高齢者の集まりの場に職員が出向き、少しでも被害を防ぐために啓発活動に取り組んでまいります。
Q
高齢者施設においても、吹田市がつなぎ役となって、市内大学生による出前講座やICTサポーターとして、一般的なアプリの設定や使い方を高齢者とのふれあいの一環としておこなってはみてはいかがでしょうか?
福祉部長 ご答弁
高齢者が多世代と交流できる場であるふれあい交流サロンにおいて、大学生によるスマートフォンの相談イベントを実施しているところがございます。また、地区福祉委員会においては、大学生ボランティアとの協働によるスマートフォン講座が開催されています。
大学生との多世代交流も含めたデジタルサポートについては、既に幾つかの場で展開されており、また一方で、講座として学びたいという高齢者からのお声もあることから、利用者ニーズの把握に努めながら、取組を進めてまいります。
今後ニーズは、ますます高まる事と思いますので、吹田市が率先して支援いただけますよう、お願いしておきます。
高齢者向けeスポーツについて
Q
同じく高齢者施設において、テレビゲームやオンラインゲームで高齢者のデジタルを推進するのもいいかもしれません。
フレイル予防・認知症予防にも有効で、脳機能の活性化、社会的交流の確保を図ることができ、健康寿命の延伸につながるとも言われております。
例えば操作が単純なリズムゲーム「太鼓の達人」、細かな運転技術で瞬発力や判断力等が養われる「グランツーリスモ」なんかは、よく実証実験で使われたりしております。
吹田市として、シルバー向けeスポーツを後押しするイベントや大会などを例えば健都ライブラリーで試験的に行ってみてはいかがでしょうか?
福祉部長 ご答弁
現在、ふれあい交流サロンにおいて、テレビゲームを活用した介護予防の取組を実施しているところもございます。
また、第8期吹田健やか年輪プランでは、民間企業等との連携による介護予防の推進を重点取組として上げており、本年度から、ゲームにチャレンジしながら認知機能評価ができるタブレット端末を導入し、活用を始めたところでございます。
引き続き、eスポーツやゲームの活用を含めた高齢者が楽しんで参加できる事業展開を検討してまいります。
フレイル予防・認知症予防、脳機能の活性化、社会的交流の新しい試みとして、今回は福祉部の方に質問いたしましたが、何か目標となる大会や選抜のイベント開催など、吹田市としてシルバーeスポーツの支援を 都市魅力部とも連携を取りながら、ご検討頂けたらと思います。