日本維新の会が自民党に提起した「12本の矢」──将来世代へ託す現実的な改革を
10月16日、日本維新の会は自由民主党との政策協議において、今後の国家運営に関する包括的な提案を正式に提示しました。
その内容は、「経済」「社会保障」「外交安全保障」「教育」「政治改革」など、12分野に及ぶ具体的な政策項目です。
この提案は、単なる要望書ではありません。これまで維新が掲げてきた「身を切る改革」「実現力のある政治」の理念を具体的な施策として凝縮したものであり、まさに「国家の再設計図」とも言えるものです。
■ 現実に根ざした経済財政政策
物価高に直面する今、ガソリンの暫定税率廃止や電気・ガス料金の補助拡充、食料品の消費税2年間ゼロ化といった、生活者目線の対策を打ち出しています。また、給付付き税額控除制度の創設など、所得再分配の仕組みを合理的に再構築する意図が読み取れます。
さらに注目すべきは、「政府効率化局（仮称：日本版DOGE）」の設立。行政の効率化を一元的に推進し、無駄を徹底的に排除する構想です。これは民間経営の知見を政治行政に導入する好例であり、私自身も大いに注目しています。
■ 社会保障改革は「現場起点」
社会保障制度の見直しでは、病院機能の再編や医療費の費用対効果分析など、「制度の持続性」と「現場の公平性」を両立させる視点が光ります。単なる給付拡大ではなく、限られた資源を最大限に生かす“再設計”が必要です。
特に「高齢者の定義見直し」や「大学病院機能の強化」などは、人口構造の変化に即した現実的な視点であり、これこそが維新の実務型改革の真骨頂でしょう。
■ 皇室・憲法・安全保障──国家の根幹に踏み込む提案
旧宮家の男系男子の皇室復帰を可能にする皇室典範改正、憲法9条の見直し、緊急事態条項の明確化など、戦後以来の課題に対して現実的な議論を提起しています。
また、外交・防衛面では「戦略3文書改定の前倒し」や「長射程ミサイル整備」など、国際環境の変化を見据えた抑止力強化策が明記されています。単なる防衛増強ではなく、「自衛隊組織の効率化」「防衛産業の民間連携」など、経済安全保障との連動性も重視している点に注目です。
■ エネルギー・食料・人口──生存戦略としての政策軸
原子力発電所の再稼働を含む現実的なエネルギー政策、食料安全保障への重点投資、そして外国人材受け入れに関する厳格な制度設計。
いずれも「持続可能な国力の基盤」を再構築するための土台づくりです。
南西諸島の海底ケーブル強化策など、経済安全保障の観点からも実効的な提案が並びます。
これらは、一見個別施策のようでありながら、すべて「日本の強靭性を高めるための一貫した戦略」に位置づけられています。
■ 教育・科学技術・統治機構──未来への投資
教育無償化の完全実施、高校給食の整備、そして科学技術立国としての研究投資拡充。人への投資が遅れてきた日本にとって、これらは極めて重要な方向転換です。
さらに、首都機能分散や多極型経済圏の構築を掲げる統治機構改革も、地方の可能性を引き出す鍵となります。吹田のような都市にも大きな影響を及ぼすテーマです。
■ 政治改革──「身を切る」理念の象徴
企業団体献金の廃止、議員定数削減、選挙制度改革。これは維新が一貫して訴えてきた原点であり、政治への信頼回復のための不可欠なステップです。政治家自身が痛みを伴う改革に踏み出さなければ、真の行政改革は進みません。
■ さいごに…
今回の政策協議要望は、単なる選挙向けのスローガンではなく、持続可能な国家経営のための実務的提案です。
未来を担う子どもたちのために、現実を直視しながらも希望を描く政治──それこそが、今の日本に求められている姿勢だと感じます。
