百日ぜきが再び流行の兆し。不安よりも「知ること」が安心への第一歩です。
記事の説明
2024年以降、日本国内で「百日ぜき（百日咳）」の感染者数が急増しています。国立健康危機管理研究機構の速報値によれば、2024年3月24日から30日の1週間で報告された患者数は578人にのぼり、今年に入ってからの累計患者数は4771人と、すでに昨年の年間累計4,054人を上回っています。
百日ぜきは、百日ぜき菌による飛沫感染で広がる呼吸器の感染症です。初期は風邪に似た症状から始まり、次第に激しいせきへと移行します。特に乳児では重症化しやすく、場合によっては死に至ることもあるため、慎重な対応が求められます。
日本小児科学会は「重症例も報告されている」として、注意を呼びかける文書を公表しました。また、薬剤耐性菌の報告も増加傾向にあることが明らかになっており、感染対策としては、適切な抗菌薬の使用、マスク着用、登校の際の体調管理などが推奨されています。
百日ぜきの予防には5種混合ワクチンが有効とされており、特に乳児期の予防接種の徹底が重要とされています。学校や保育施設では、せきが治まっていない場合はマスクの着用や自宅療養を勧めるなど、感染拡大を防ぐための工夫が求められています。
高村の考え
百日ぜきという病名を聞くと、少し昔の病気のように思われる方もいるかもしれません。
しかし、現実にはこうして再び注目される感染症として、私たちの暮らしに影響を及ぼしているのが実情です。新型コロナの流行によって衛生習慣が徹底され、一時的に他の感染症が抑えられていた影響もあるでしょう。
いわば、反動的に免疫の「空白期間」が生じたともいえるかもしれません。
しかしながら、こうした感染症の再流行について、過度に不安を煽ることは避けるべきだと考えています。
なぜなら、正確な知識と適切な対応策があれば、百日ぜきは十分に防げる病気だと思うのです。
日本小児科学会も「重症例の報告」に触れつつ、具体的な対応策を示しており、冷静な対応を呼びかけています。
特に重要なのは、予防接種なのかなと思います。
吹田市では令和6年4月1日より、これまでの4種混合ワクチン（ジフテリア・百日せき・破傷風・不活化ポリオ）に、ヒブ感染症ワクチンが加わった、5種混合ワクチンが使用できるようになりました。
吹田市においても、市民の健康と安全を守るため、感染症に関する最新情報の周知徹底と予防接種の啓発活動を強化していく必要があります。
地域全体で「知って、防ぐ」姿勢を持ち、過度な恐れではなく、冷静な注意で感染症と向き合っていきたいところです。
