◆ 修正案提出の背景
令和7年2月定例会において、大阪維新の会は「吹田市社会通念上相当な範囲を超えた言動による職員の被害の防止に関する条例」に対し、市民の適正な行政利用の保障と、職員同士のハラスメント防止を一体的に推進すべきとの考えから、具体的な定義と責務を明確化する修正案を提出しました。
◆ 主な修正内容
【1】「社会通念上相当な範囲を超えた言動」の定義に議員・職員を追加
原案
- 市民等からの不適切な言動が対象
修正案
- 「市民等(議員を含む)及び職員(特別職・一般職問わず)」による言動も対象に追加
💡 ポイント:
これにより、議員や市内部の職員によるハラスメント行為も対象になり、内部の健全な環境づくりにも踏み込んだ内容に。
【2】「ハラスメント」の明確な定義を追加
修正案
- 「パワー・ハラスメント」「セクシュアル・ハラスメント」「妊娠・出産・育児・介護に関するハラスメント」 を明文化し、対象範囲を具体化。
💡 ポイント:
市の内部における各種ハラスメントの防止を制度的に位置づけ、市職場全体での取組に一貫性を持たせました。
【3】 基本理念に「職員間ハラスメント防止との一体的取り組み」を明記
修正案
- 「市民等からのハラスメント防止」と「職員間のハラスメント防止」は一体的に推進すべきと明記。
💡 ポイント:
外部(市民等)と内部(職員間)のどちらにも対応した、包括的なハラスメント対策の理念を打ち出しました。
【4】 職員の責務をシンプルに「ハラスメントをしてはならない」と規定
原案
- 優越的関係を背景にした不適切な言動や性的言動等の禁止
修正案
- 「職員は、職場においてハラスメントをしてはならない。」と端的かつ包括的な表現に変更
💡 ポイント:
行為の具体例を羅列せず、全てのハラスメント行為を禁止する強いメッセージ性を持たせた。
【5】 市民等からの「行き過ぎ認定」への不服申し出制度を追加
修正案
- 市民等から「自分の言動が社会通念上相当な範囲を超えたとされることに異議がある」と申出があった場合、市は真摯に対応しなければならない旨を追加。
💡 ポイント:
市民からの正当な意見表明が「ハラスメント」と誤って認定されないように、市民側の権利保護にも配慮。
◆ 今回の修正案の意義
✅ 外部(市民・議員)だけでなく内部(職員間・特別職含む)のハラスメントも対象にした包括的アプローチ
✅ ハラスメントの定義を具体化し、現場での運用を明確化
✅ 市民側の意見表明の権利も保護
✅ 「内部統制」として実効性を持つ内容にブラッシュアップ
◆ まとめ
大阪維新の会が提出したこの修正案は、「職員を守る」だけでなく、「市民の権利を守る」「職場環境全体を改善する」視点を盛り込んだ、バランスの取れた現実的な条例内容に仕上げられました。
今後、吹田市がこの条例に基づき、市民と職員が互いに信頼関係を築ける環境をどのように整備していくか注目です。