教育現場に新しい風が吹いています。佐賀市で開催された「オモロー授業発表会」では、子どもたちが主体となる教育のあり方が議論されました。

記事の説明
佐賀市で開催された「オモロー授業発表会」は、子どもが主役となる教育の実践を共有する場です。佐賀県内の公立小学校の教員や福岡県の教員、中学生などが参加し、ユニークな授業方法や学級運営の工夫を発表しました。
心理学を活用した声かけや、子どもたちが互いに良い行動を褒め合う「褒め言葉のシャワー」など、前向きなコミュニケーションを重視した取り組みが紹介されました。例えば、掃除の様子を撮影し、写真にクラスメートがメッセージを書くことで、子どもたちは他者の良い点を意識するようになったそうです。
このイベントを主催したのは、NPO法人「こどもシンクタンクSAGA」。昨年に続き2回目の開催となり、約70人の教育関係者や学生が参加しました。発表後には意見交換の時間が設けられ、教育現場での課題や工夫について深く話し合う場となりました。次回は2月15日に鳥栖市で開催される予定です。
高村の考え
この「オモロー授業発表会」の取り組みは、非常に良い試みだと感じます。
教育現場では「子どもたちをどう導くか」に焦点が当たりがちですが、このような場を通じて「子どもたちの主体性をどう伸ばすか」に意識を向けるのは大切なことです。
特に「褒め言葉のシャワー」は、シンプルながら効果的なアプローチだと思います。
心理学的にも、ポジティブなフィードバックは自己肯定感を高め、学習意欲の向上につながることが証明されています。
掃除の写真にメッセージを書き込む仕組みは、子どもたちに「良い行動を見つける視点」を育ませる点でも優れています。
また、学級運営に心理学の知見を取り入れる試みも注目に値します。
教育者が子どもたちの特性を理解し、それに応じた声かけをすることで、信頼関係の構築や安心感の醸成につながります。
これは単なる学力向上だけでなく、子どもたちの社会性や自己表現の力を伸ばすためにも重要な要素ではないかと思います。
一方で、こうした取り組みを学校全体でどう広げるかが課題でしょう。
現場の先生方の熱意によって実践されているものの、制度として定着しなければ、一部のクラスや先生に留まってしまうでしょう。例えば、教育委員会や行政がこうした活動を支援し、他の学校でも導入しやすい形にする工夫が必要なのかもしれません。
また、「子どもが主役」という考え方は、教育現場においてより一層重視されるべきで、教員だけでなく保護者や地域社会とも連携し、子どもたちの学びの環境をより豊かにすることが求められます。
今回の「オモロー授業発表会」は、こうした新しい教育のあり方を広める良い機会となりました。
今後も全国的にこのような活動が広がり、子どもたちが自らの成長を楽しめる教育環境が増えることを期待します。