教育現場の情報管理に潜むリスクが、また一つ顕在化しています。
子どもたちに学ばせる立場の教師が学ぶべきこともありますね。
日常の些細なミスが重大な問題へと発展することを考えさせられる事件ですのでご紹介しておきます。
記事の説明
福岡市の市立中学校で、教員専用フォルダのアクセスコードが生徒に漏洩し、49人分の生徒個人情報が数人に流出した事件が発生しました。この問題は、今年5月、教師が授業中にパソコン画面をプロジェクターで投影した際、誤ってネットワーク上の教員専用フォルダのアクセスコードを表示してしまったことが発端です。
アクセスコードを知った生徒2人がタブレット端末から専用フォルダに侵入し、ファイルを閲覧。保存された個人情報をスクリーンショットやスマホ撮影で保存し、一部が他の生徒に共有されました。流出した情報には、中学3年生の生徒の健康上や生徒指導上の配慮事項(アレルギー、長期欠席、生徒支援内容など)が含まれていました。
事件は11月になって保護者からの指摘で発覚。学校側はアクセスコードを変更し、12人の生徒が閲覧したファイルの削除を要請。市教育委員会は、再発防止策として情報モラル教育を徹底することや、授業用と個人情報のファイルを分離保存する体制を取る方針を示しました。
高村の考え
この事件は、教師の不注意によるアクセスコードの漏洩と、生徒による悪質ないたずらが重なった結果といえます。
生徒が教員専用フォルダへのアクセスを試みた背景には、単なる好奇心だけでなく、情報モラル教育の不足が潜んでいるように感じます。
このような問題は、学校現場でのセキュリティ意識の欠如と生徒のリテラシー不足を浮き彫りにしました。
今後の対策として、「授業用」と「個人情報を含むファイル」を分離保存していくという市教委の対応ですが、これは基本的なデジタルセキュリティ対策であり、全国的な学校現場で一層広められるべきです。
同様の事態は他の地域でも起こり得るため、早急に再発防止策を共有・導入する必要があります。
また、リテラシー教育の充実が急務です。
子どもたちがネット上の行動に対して責任を持てるようになるための教育を徹底すべきです。
この事件をきっかけに、学校現場だけでなく家庭でも情報モラルの重要性が見直されるべきでしょう。
明日は我が身という意識で、教師と生徒双方のデジタルセキュリティに対する認識を高める取り組みが、未来のトラブルを未然に防ぐカギになると信じます。