AI時代に適応する教育の在り方を問う重要な一歩です。
記事の説明
文部科学省は12月20日、小中高校での生成AI(人工知能)の活用指針に関する改定案を発表しました。
この改定案では、小学生による生成AIの直接的な使用には慎重な姿勢を示しつつも、教職員が校務や授業準備で活用することについては、働き方改革につながるため「有用」と評価しています。
具体的には、文章生成AI(例:ChatGPT)や画像・音声生成技術について、利用例や注意点を詳しく盛り込んでいます。
さらに、「一律に禁止したり義務付けたりするものではない」と明記し、学校現場の実情に合わせた柔軟な対応を促しています。
この改定案では、教職員と児童生徒の利用を明確に分けて、それぞれの特性や注意点を示すことで、学校現場での導入をより現実的なものにしようとしています。
高村の考え
先日閉会した11月議会で、私自身がこのテーマを取り上げて個人質問を行った矢先、文部科学省がこのような発表をしたことには驚きました。
タイミング的には偶然かもしれませんが、私が取り上げた問題意識が間違っていなかったことの証明にもなり、大きな自信となりました。
この分野は教育の現場における働き方改革や学びの質の向上に直結する重要なテーマです。
生成AIの活用は単なるテクノロジーの導入ではなく、教職員の負担軽減や、生徒の主体的な学びを促進する手段として、可能性に満ちています。
一方で、小学生の直接的な利用に慎重な姿勢を求める点も理解できます。
AIが与える影響を考えると、発達段階に応じた適切なアプローチが必要です。
吹田市でも、この文科省の指針を一つの指標としながら、現場で活かせる具体的な施策を進めるべきだと考えます。
また、AI活用の「有用性」と「課題」を両面から捉え、教職員や生徒が安心して取り組める環境づくりを推進していきたいと思います。
令和6年12月20日に行われた「初等中等教育段階における生成AIの利活用に関する検討会議」の内容
文部科学省が策定した「初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン(案)」について協議されました。このガイドラインは、学校現場での生成AIの利用に関する指針を示しています。
生成AIの活用を一律に禁止したり義務付けたりするものではなく、利用の目的や適切な範囲について整理するものだということを前提とされているようです。
主な内容:
- 基本的な考え方:
- AIは人間の能力を補助し拡張する道具として捉え、最終的な判断は人間が行うべき。
- 情報モラル教育の充実や、発達段階に応じた利用が求められる。
- 教職員の校務での利活用:
- 授業準備、教材作成、校内研修資料の作成などでの活用を推奨。
- 生成AIの出力は参考の一つであり、最終的な成果物には教職員自身が責任を持つ必要がある。
- 児童生徒の学習活動での利活用:
- 生成AIの仕組みや特徴を理解させ、自己判断や考察力を促すことが重要。
- 小学生については利用を慎重に検討し、教師主導で学ぶ形を推奨。
- 利用が適切な例として、AIを用いたアイデアの深化や言語学習の補助が挙げられている。
- リスク管理と留意点:
- 安全性やセキュリティの確保、個人情報の保護、著作権の遵守が重要。
- 公平性を保つためにバイアスの有無を確認し、透明性の確保を徹底する。
- 具体的な活用例:
- 教職員向けには教材作成や授業のシミュレーション。
- 生徒向けには情報モラル教育や個別学習のサポート。
ガイドラインは生成AIの利活用を推進しながらも、教育現場における具体的な場面やリスクを十分に考慮するバランスの取れた内容となっています。