1人の先生がすべてを担う時代は終わり？福井県の「チーム担任制」が教育に新しい風を吹き込みそうです。
子どもにとっても、教員にとってもメリットがあるのか興味あります。
記事の説明
福井県教育委員会は、2025年度から5年間の教育施策を示す「第4期県教育振興基本計画」の骨子案を発表しました。
その中で注目されるのが、小中学校における「チーム担任制」の試行です。
これにより、1人の担任がすべての業務を担う従来の方式から、複数の教員が学級運営や児童生徒の指導を分担する新しい仕組みが導入される見通しです。
このチーム担任制の背景には、教員の働き方改革を進める意図があります。
福井県教委は、複数の教員が協力することで、各教員が得意な分野の授業を担当できるようになると説明しています。
これにより、児童生徒はより深い学びを得られる可能性が高まります。また、教員の負担軽減が期待されており、休暇の取得がしやすくなるとしています。
さらに、男性教員の育休取得促進や代替教員の確保、教員免許を持つが教職経験のない人材の講師登用など、教員の働き方改革を支える取り組みも進められます。
この計画には、夜間中学の開校や「地域デザイン講座」の継続実施も含まれ、地域に根ざした学びの環境づくりが進められます。
こうした施策は、子どもたちの確かな学力や探究力を育成し、地域の担い手を育てるための一環とされています。
高村の考え
福井県の「チーム担任制」の導入は非常に良い取り組みだと思います。
特に、教員の専門性を活かして授業を行える点は、子どもたちの学びの質を高める可能性があります。
例えば、ある教員が理科に強ければ理科を、別の教員が国語に強ければ国語を担当することで、より深い学びを得ることができそうです。子どもたちにとっても、1人の先生がすべてを教えるよりも、専門的な視点からのアプローチが増えるのは大きなメリットでしょう。
一方で、懸念すべき点もあるのではないでしょうか。
それは「担任の先生とのコミュニケーションの希薄化」です。
子どもたちにとって、担任の先生は「一番身近な大人」であり、日々の些細な悩みを相談できる貴重な存在です。
もし教員が複数になることで、どの教員に相談すればよいのかわからなくなる、という状況が生まれてしまえば、子どもたちの不安感が高まる可能性があります。
この問題に対しては、例えば「メイン担任」と「サブ担任」を明確に分ける仕組みが考えられます。
メイン担任が子どもの生活面やメンタル面のケアを行い、サブ担任は主に教科指導をサポートする、といった役割分担が一つの解決策になるでしょう。
また、定期的な保護者面談や子どもとの面談を、複数の教員が協力して行う形も有効かもしれません。
加えて、教員の働き方改革という観点から見ても、今回の取り組みは効果が期待されます。
教員が気軽に休暇を取得できる環境が整えば、育休の取得率も上がり、教員不足の解消にもつながるかもしれません。
特に、男性教員の育休取得を推進する動きは、これからの社会にとっても意義深いものです。
教員の労働環境が改善されれば、結果的に教育の質も向上するかもしれませんね。
全体的に見て、「チーム担任制」は、子どもにとっても教員にとってもメリットが多い取り組みだと言えが、担任との関係性が希薄化しないような工夫は、これからの制度設計の中でしっかり考慮してほしいところですね。
