新聞販売店の倒産が過去最多とは時代の変化を強く感じます。
業界が次に進むべき方向とは…?

関連記事の説明
東京商工リサーチが2024年1~10月の「新聞販売店の倒産状況」を発表し、40件の倒産が確認され、過去最多を更新しました。
その背景には、新聞の発行部数が2000年の約5370万部から2023年には約2859万部まで半減したことが大きく影響しています。
この減少は年間約109万部、山形県や宮崎県の人口に匹敵する数で、新聞販売店の収入源である購読料と折り込み広告収入の減少を招いています。
加えて、配達員の人手不足や配達コストの高騰が経営を圧迫し、倒産へとつながっています。
新聞販売店は効率化のため「複合店」や「合売店」への転換を図り、さらに地域密着型のサービスや副業に活路を見出そうとしています。
牛乳配達や買い物代行、高齢者の見回りなどの新たな取り組みが行われていますが、本業不振をどこまでカバーできるかが課題です。
また、大手新聞の地方撤退も相次いでおり、紙媒体から電子版への移行が進んでいますが、それでも部数減少を完全に補うことは難しいとされています。
高村の考え
新聞販売店の倒産が過去最多となった現状は、デジタル化と消費者行動の変化を象徴する出来事だと感じます。今やスマートフォンやパソコンから手軽に情報を得ることが当たり前の時代です。そのため、速報性やコストの観点からも新聞という紙媒体の限界が浮き彫りになっています。
一方で、新聞の役割は必ずしも終わったわけではなく、地域密着型の活動や高齢者をターゲットとしたサービスなど、販売店が工夫を凝らしている点には注目しています。
特に、高齢者見回りサービスのように、新聞配達のネットワークを活用した地域支援は、単なる新聞販売を超えた社会的意義を持つ可能性があります。
ただし、これらの新たな事業モデルが持続可能かつ利益を生むかどうかは厳しい試練が伴うでしょう。
時代の流れとして、紙媒体からデジタル媒体への移行は避けられません。
しかし、紙だからこそ残る「信頼性」や「深い洞察」を求める層も一定数存在します。このような層に向けた価値提供を考えることが、今後の新聞業界の生き残りの鍵になるのではないでしょうか。