教育情報セキュリティについて「GIGAスクール端末の廃棄」

先日(9月17日)、議会質問において、情報セキュリティの項目で最後に「GIGAスクール端末の廃棄」について質疑いたしました。
そこで、端末の処分の際の個人情報保護の重要性について触れましたので、文部科学省が公表している「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」の内容についても触れまして、少し整理してわかりやすくまとめましたので、ご覧頂ければ幸いでございます。(都市鉱山の方はまた別で紹介したいと思います。)

GIGAスクール構想と情報セキュリティ

GIGAスクール構想の背景と目的

GIGAスクール構想は、2020年から始まった日本の教育改革の一環で、児童生徒1人1台の学習端末と、高速・大容量の通信ネットワークを整備することで、すべての児童生徒が平等にICT(情報通信技術)を活用した学びを実現できる環境を整えることを目的としています。
この構想の背景には、世界中で進行するデジタル化の波があり、日本の教育現場でもテクノロジーの活用が遅れないよう、学び方を変革していく必要性がありました。
さらに、教職員の働き方改革や、児童生徒の個別最適化された学習、協働学習の実現を目指し、より柔軟で多様な教育環境の提供が求められています。

情報セキュリティの必要性

しかし、このデジタル化の推進には、新たな課題として「情報セキュリティの確保」が不可欠です。1人1台の端末を使用することで、学校での学びが大きく進化する反面、端末やネットワークのセキュリティが脆弱であれば、児童生徒や教職員の個人情報や学習データが漏洩するリスクが増加します。
特に、クラウドサービスを活用したデータ管理が普及する中で、サイバー攻撃や不正アクセスに対するセキュリティ対策の強化は急務となっています。

情報セキュリティが適切に守られていない場合、児童生徒の学習データや個人情報が外部に流出し、プライバシーの侵害だけでなく、信頼の喪失や教育活動への大きな影響を及ぼす可能性があります。
例えば、成績や指導記録、健康情報などが漏洩した場合、児童生徒やその家族への直接的な被害だけでなく、学校や自治体全体の運営にも深刻なダメージを与えます。

セキュリティの対策強化と持続的な対応

こうしたリスクに対応するため、GIGAスクール構想では、端末やネットワークのセキュリティを強化し、万全な状態での運用が求められています。
具体的には、端末への多要素認証の導入や、強固なアクセス制御の実装が行われ、児童生徒や教職員が安全に情報システムを利用できる環境を整備することが求められます。

また、情報セキュリティは一度対策を講じればそれで終わりというわけではなく、絶えず進化するサイバー攻撃や新たな脅威に対応し続けることが重要です。
そのため、セキュリティの見直しやアップデートが定期的に行われるべきであり、教職員や管理者は最新のセキュリティ情報を収集し、必要に応じて迅速な対応を行える体制を整えておくことが大切です。

セキュリティ教育の必要性

さらに、教職員や児童生徒に対するセキュリティ教育も不可欠です。
児童生徒が1人1台の端末を日常的に使用する環境では、インターネットの安全な利用や、個人情報の取り扱いに関する意識を高めることが求められます。
SNSやオンライン学習プラットフォームの利用時に、どのような行動が安全で、どのようなリスクが潜んでいるかを理解し、リテラシーを高めるための指導が必要です。
同様に、教職員も端末やシステムの正しい使い方を習得し、セキュリティリスクを防止するための知識を持つことが求められます。

情報セキュリティと教育の未来

IGAスクール構想は、教育の未来を切り開く大きな一歩ですが、その成功には強固な情報セキュリティが不可欠です。
セキュリティ対策をしっかりと講じることで、デジタル時代において安心して学び、成長できる環境が整備されます。
これにより、児童生徒が自ら学び、創造性を発揮できる場が確保され、日本の教育現場が世界に誇れる質の高い教育へと進化することが期待されています。

端末の処分に関するセキュリティ対策

学校現場で使用される端末には、児童生徒や教職員の個人情報、成績データ、学習記録などの機密性の高い情報が含まれている可能性があります。
これらの情報が外部に漏洩するリスクを最小限にするため、端末の処分時には特別な注意が必要です。

物理的破壊とデータ消去の徹底

廃棄される端末のデータは、単純なOSの初期化やフォーマットでは不十分です。
データが復元される可能性があるため、データ消去専用のソフトウェアを使用するか、磁気的破壊、または物理的破壊により完全にデータを消去する必要があります。
特に、物理的破壊を行う場合は、ハードディスクやSSDなどの記録媒体を物理的に壊すことが推奨されております​。

リモートワイプ機能の活用

端末の紛失や盗難に備え、遠隔操作でデータを消去できるリモートワイプ機能の導入が推奨されています。
この機能により、紛失した端末が悪用される前にデータを削除することができ、情報漏洩のリスクを軽減できます。
特に、クラウドサービスと連携した端末管理では、このリモートワイプが有効です​。

リモートワイプ(遠隔消去)とは、パソコンやスマートフォンなどの端末に保存されたデータを、ネットワーク経由で遠隔からデータを消去する、情報漏えい対策のためのセキュリティ機能です。

廃棄業者への処分委託

廃棄する端末を処分業者に委託する場合は、信頼できる業者を選定し、教職員等が処分の過程を確認します。
処分が正確に行われたことを証明するため、処分日時や担当者、処理内容を記録し、適切に管理する必要があります。また、廃棄証明書の発行を求め、情報漏洩リスクをさらに低減することが求められます​。

教育現場におけるクラウド活用とセキュリティ対策

GIGAスクール構想により、学校ではクラウドサービスの活用が進められています。
クラウドサービスを使用することで、物理的なサーバー管理の負担を軽減し、災害時のデータ保全や運用の柔軟性を確保できます。
しかし、クラウドを利用するにあたっても、もちろんセキュリティリスクへの配慮が必要です。

クラウドサービスのセキュリティ確認

クラウドサービスの選定に際しては、事業者が適切なセキュリティ対策を講じているかを確認することが重要です。
第三者認証や事業者の監査報告書を利用し、情報漏洩や不正アクセスのリスクを防止するための対策が確実に行われていることを確認する必要があります。
たとえば、ISO/IEC 27017やSOC2などの認証を取得しているクラウドサービスを選ぶと、一定の信頼性が担保されます​。

多要素認証の導入

クラウドサービスを利用する際には、単なるIDとパスワードだけではなく、多要素認証(MFA: Multi-Factor Authentication)の導入が推奨されます。
これにより、不正アクセスを防ぎ、システムへのセキュリティを強化することができます。特に、重要なデータを扱う場合には、この対策が不可欠です​。

学校現場での情報モラル教育

デジタル端末やクラウドを利用する学習環境では、児童生徒が情報セキュリティや情報モラルを理解し、適切に扱うスキルを習得することが重要です。
教職員は、児童生徒に対して安全なインターネット利用や、SNSでの適切な行動について指導する責任があるとされています。

情報モラルの意識向上

1人1台端末が与えられることで、児童生徒はさまざまな情報にアクセスする機会が増えます。
この状況に対応するため、インターネットの危険性や情報の取り扱いに対するモラル教育を強化し、児童生徒が被害者や加害者にならないようにすることが、必要であり重要であります​。

情報セキュリティ研修の実施

教職員に対しても、定期的な情報セキュリティ研修を実施し、最新のセキュリティ対策や情報漏洩防止の手法について理解を深めることが重要です。
これにより、学校全体で安全な情報環境を構築することができます​。

まとめ

教育現場におけるデジタル化が進む中、情報セキュリティ対策は欠かせません。
特に端末の廃棄に関しては、物理的・デジタル的なデータの消去を徹底し、クラウドやリモート管理機能を活用して安全な運用を行うことが求められます。
また、教職員と児童生徒の双方に対するセキュリティ教育やモラル教育を通じて、デジタル環境の安全性を高めていくことが大切ですね。

この投稿について、「がんばれ」と思っている人が多いみたいですね。参考にします!(^^)
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