日本のランサムウェア検出率世界1位 ~ 企業が直面する脅威と必要な対策

この問題は民間企業だけに限った話ではなく、行政機関でもしっかりと対策を取っていかなくてはいけませんね。

記事の説明

アクロニス・ジャパンが発表した「2024年度上半期 サイバー脅威レポート」によると、日本が世界の中で最もランサムウェアの検出率が高い国であることが明らかになりました。
このレポートは、世界15カ国における100万以上のWindowsエンドポイントを対象に行われ、最新のサイバーセキュリティの動向が浮き彫りにされています。
特に注目すべきは、2024年第1四半期(1月~3月)における日本のランサムウェア検出率が16.5%と、他国を大きく上回っている点です。
比較すると、米国は5.4%英国は2.5%であり、2位のドイツの13.4%をも3.1ポイントも上回っています
これは日本が他国に比べて圧倒的にランサムウェアの標的となっていることを示しています。

日本のランサムウェア検出率は4月以降に若干減少し、6月と7月には3.7%となっていますが、それでも先進国の中で最も高い水準を維持しています。
また、マルウェアや悪意のあるURLの検出率も依然として高く、7月の日本におけるマルウェア検出率は13.7%、悪意のあるURLの検出率は21.2%に達しています。
これらのデータは、日本がサイバー攻撃において極めて重要なターゲットとして見なされていることを強調しています。

アクロニスの最高情報セキュリティ責任者であるケビン・リード氏は、日本におけるランサムウェアの高い検出率の背景には、いくつかの要因が複合的に影響していると指摘しています。
まず、日本には「誤った信頼感」が広がっている点が挙げられます。
多くの日本人が、自身のセキュリティ対策に対して過信し、ソーシャルエンジニアリングのような手法に容易に引っかかる傾向があるとされています。 これは、パスワードを盗まれるような詐欺的手法に対する免疫が低いことを意味します。

さらに、日本の技術的なインフラには、アップデートの遅延古いシステムの使用といった課題もあります。 これにより、最新の脅威に対する防御力が低下し、結果として攻撃が成功する可能性が高まっています。 こうした状況が続く中で、日本はサイバー犯罪者にとって魅力的な標的として認識されています。 特に、日本企業は豊かな資産を持っているという認識が広まり、攻撃者にとって成功した場合のメリットが非常に大きいことが、さらなる攻撃を引き寄せているのです。

具体的な攻撃例として、株式会社KADOKAWAに対するBlackSuitグループのランサムウェア攻撃や、HOYA株式会社に対するHunters Internationalの攻撃などが挙げられます。 これらの攻撃では、企業に対して巨額の身代金が要求され、データの盗難や公開の脅威が企業活動に大きな影響を与えました。 特に、日本国内でのランサムウェア攻撃がビジネスとしての性質を持っており、犯罪者たちが組織的に活動していることが確認されています。

一方、全世界的に見ても、ランサムウェアは依然として最大の脅威であり、その手法は日々進化しています。 例えば、マルウェアの平均寿命がわずか2~3日であることが示されており、これにより検知が難しくなっています。 さらに、3つの主要なランサムウェアグループ(LockBit、Black Basta、PLAY)が全体の35%の攻撃を占めており、サイバー攻撃の中心的な役割を果たしています。

このように、日本がサイバー攻撃に対して脆弱な状況にあることは明白です。 企業はこれを深刻に受け止め、統合化したバックアップ体制ディザスタリカバリ(DR)の体制を確立し、セキュリティ体制を強化することが求められています。 また、エンドユーザーのデバイスにおいても、OSの高い権限を適切に管理し、ソフトウェアのアップデートを段階的に展開するなどの対策が必要とされています。

高村の考え

まず、日本がランサムウェアの検出率で世界1位になっているという事実は、日本がサイバー攻撃に対して極めて脆弱であることを示しています。
記事で指摘されているように、これは文化的な要因技術的な要因が複雑に絡み合っている結果なのでしょう。

まず、誤った信頼感によってソーシャルエンジニアリングに引っかかりやすい点は、企業だけでなく個人レベルでも大きなリスクとなっています。
日本の社会全体が、自らのセキュリティ対策に対して過信せず、より一層の警戒を持つ必要があります。

また、企業においては、システムの更新が遅れることが攻撃の成功率を高める要因となっています。
古いシステムを使い続けることで、最新の脅威に対する防御が不十分となり、結果として企業が大きな被害を受けるリスクが増大します。
これは、単に技術的な問題に留まらず、経営層がリスクを適切に認識し、予算やリソースを適切に配分するという経営戦略の問題でもあります。

さらに、日本企業がサイバー攻撃者にとって魅力的な標的となっている理由には、企業の豊富な資産が挙げられます。
攻撃が成功した場合に得られる利益が大きいため、攻撃者は日本を優先的にターゲットにしています。
これに対抗するためには、企業の危機管理意識を飛躍的に高める必要があります。 具体的には、以下のような対策を講じることが求められます。

  1. 従業員教育の徹底:すべての従業員が最新のセキュリティ脅威について理解し、適切に対応できるよう、定期的な教育とトレーニングを実施することが重要です。 特に、フィッシング攻撃やソーシャルエンジニアリングに対する警戒心を高める教育が不可欠です。
  2. セキュリティ体制の強化:企業内部のITインフラに対するセキュリティ体制を見直し、脆弱性のあるシステムの更新やアップグレードを迅速に行うことが求められます。 また、外部の専門家を招いて、定期的にセキュリティ診断を行うことも有効です。
  3. バックアップとリカバリ体制の整備:万が一の攻撃に備え、データのバックアップを定期的に行い、迅速に復旧できる体制を整備することが重要です。 クラウドベースのバックアップや、DR体制の導入を検討すべきです。
  4. セキュリティソフトウェアの導入と更新:最新のセキュリティソフトウェアを導入し、常に最新の状態に保つことで、未知の脅威に対する防御力を強化します。 AIを活用した脅威検知技術の導入も有効です。
  5. 業界間の情報共有と連携:同業他社や業界団体と連携し、サイバー攻撃に関する情報を共有することで、より広範な防御ネットワークを構築することが可能です。

これらの対策を通じて、日本企業はサイバー攻撃の標的から脱却し、安全で信頼性の高いビジネス環境を築いていくことが求められているのではないでしょうか。

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