生成AIを使用する・活用する時代はすでに来ていると覚悟して、ではそれらとどのように向き合っていくのかが問われています。
記事の説明
AIを活用した子供向けの教育は、学習塾や通信教育で広がり始めています。
同じ質問を何度しても怒らず、個別に学習の進捗を把握してくれるAIは、先生では対応しきれない部分を補うものとして注目されています。
一方、学校での義務教育では、2023年7月に文部科学省がAI利用のガイドラインを発表しました。
このガイドラインでは、まず生成AIのリスクやメリットを十分に理解できる学校で試験的に導入することが推奨されています。
つまり、学校の先生自身が生成AIについて学び、それを教える役割を担う必要があります。
宮崎大学教育学部の中村大輝先生と小八重智史先生は、授業にAIを活用する実証研究を行っています。
7月5日、宮崎大学教育学部附属中学校では、理科の授業で生成AIを活用した研修授業が行われ、県内の小中高校の理科の教諭向けの研修講座も実施されました。
この授業では、中学1年生が「仮説設定お助けくん」というキャラクター化されたテキストチャット型生成AIを使い、仮説を立てる学習を行いました。
子供たちは技術科の授業でAIの仕組みやリスクを学び、AIを取り入れた授業に慣れています。
「仮説設定お助けくん」は答えを教えるのではなく、考え方のステップやヒントを提供し、学習をサポートします。
生徒たちはAIの助けを借りて仮説を立て、その仮説をグループでまとめていきます。
AIを個人学習だけでなく、グループディスカッションの一部として活用することで、他者との相互作用を通して最適解を追求する力を育てることが目的です。
このような取り組みは、AIが教育の場で他者として役割を果たす可能性を示しています。
実際にAIとディスカッションした生徒たちからは、「AIは何でも知っている友達のようで、どんな質問もしやすい」という意見が出ました。
また、学校教育にマッチするAIとして、生成AIのキャラクターを提供したリートンテクノロジーズジャパンは、学校教育の中でAIを取り入れる初の試みとなります。
中村先生は、生成AIの使い方を学校でも指導し、教育効果を高めることを目指しています。
学校教育における生成AIの導入は、生徒が生成AIを正しく理解し、使うことができるようになるために、教師自身の研修や教育も重要です。
このように、生成AIを教育に取り入れることで、個人の学習能力を高めるだけでなく、他者との協力や問題解決能力を養うことが期待されています。
高村の考え
私たちの子供たちがこれからの社会で成功するためには、生成AIのメリットを最大限に引き出しつつ、そのリスクにも対応できるリテラシーの向上が不可欠です。
具体的には、生成AIの正しい使い方を学ぶこと、生成AIを利用した学習の中で自らの考えを形成し、それを他者と共有・検証する力を育てることが重要です。
宮崎大学の取り組みは、生成AIがどのように教育に貢献できるのかを実証するものであり、その成果が全国の学校に広がることを期待しています。
ただし、生成AIの導入にあたっては、教師自身がその使い方を十分に理解し、生徒に正しく指導できる体制を整えることが求められます。
また、生成AIを教育に取り入れることで、単に知識を得るだけでなく、他者と協力しながら問題を解決する能力を養うことが可能です。
これは、今後の社会で必要とされるスキルであり、教育現場における生成AIの活用がその一助となることを強く願っています。